2018年8月6日 大阪市議会の大都市・税財政制度特別委員会で公明会派が「公園」の観点から大阪都構想の矛盾点を追及

 8月6日、大阪市議会の大都市税・財政制度特別委員会が開催されました。公明会派の佐々木哲夫議員と山田正和議員が「公園」の観点から、大阪都構想の制度設計の矛盾点を追及しました。大阪市が廃止されて四つの特別に分割された場合、五つの大阪市営公園が大阪府営公園になります。大阪府営公園になっても現在の大阪市民へのサービスが維持されるのか、この府営公園を維持管理する経費は誰が負担するのか、という問題です。2議員の質疑を掲載します。

佐々木哲夫議員(公明) 住民サービスの維持という観点から質疑させていただきます。特別区設置には現在示されているだけでも1000億円という膨大なコストを要するということが言えると思います。具体的に申し上げますと、財政シミュレーションの15年間で、(新庁舎の)建設案ではイニシャルコストで558億円、ランニングコストで累計615億円、これは年間41億円×15ということです。合計1173億円ということになります。賃借案ではイニシャルコストで311億円、ランニングコストで15年間累計720億円、合計1031億円。膨大なコストが必要になることが明らかになっております。これはすべて大阪市民だけが負担させられるということでございます。平成30年度の大阪市の予算案を見てみますと、例えば4、5歳児の幼児教育の無償化で約57億円、約4000人の入所枠を確保した民間保育所等整備事業で約85億円を計上していますけれども、これらと比較しましても、今言った1000億円をはるかに超えるコストがいかに膨大であるかということでございます。
 このように特別区の設置に当たっては示されているだけで1000億円を超える膨大なコストが生じるのでありますから、現在の市民サービスが向上して当然であるというふうに、市民感覚からしたら「こんだけお金使ってんねんから、今よりようなって当然でしょう」という話だと思います。これは市民感情の話です。ところが、特別区の素案においては「大阪市が実施してきた特色ある住民サービスは、地域の状況や住民ニーズを踏まえながら内容や水準を維持するよう努める」ということで、住民サービスの現状維持が、しかもそれが努力目標になっているということなんです。現在、大阪市は様々な市民への優遇措置を行っております。特別区の設置に伴って大阪府に移管する事務においては、大阪全体の成長や都市の発展、安全・安心の観点から、新たに事務の実施主体となる大阪府において、本当に現在と同様、大阪府民のうち大阪市民、特別区民を優遇するような措置を取ることができるのか。そういった観点で本日は天王寺動物園を例にとって質疑を行っていきます。
 まず現在、天王寺動物園の入園料はどうなっているのか、また大阪市内に在学、在住していることで入園料の優遇措置はあるのかお伺いします。
副首都推進局 中野泰也課長(事務事業担当) 天王寺動物園の入園料につきましては、大人500円、小中学生200円であり、未就学児及び身体障害者手帳等をお持ちの方は無料となっております。また大阪市内在住、在学の小中学生と大阪市内在住の65歳以上の方の入園料は無料となっております。
佐々木議員 大阪市内在住の65歳以上の方は500円の入園料が、大阪市内に在住、在学の小中学生は200円の入園料が、それぞれ無料になるということです。ではこの大阪市内に在住、在学していることで無料になるということは、何で決まっているのかお伺いします。
副首都推進局 中野課長 大阪市公園条例に基づき、大阪市内在住、在学の小中学生や高齢者等について天王寺動物園の入園料を免除しているものでございます。
佐々木議員 大阪市の公園条例で決まっているということですね。では、大阪市を廃止して特別区が設置される場合に、天王寺動物園は大阪府が所管することになっておりますけれども、大阪府民のうち大阪市民、特別区民を優遇する措置というのは、どういうルール、何で決めることになるのかお伺いします。
副首都推進局 中野課長 特別区設置後は天王寺動物園の管理運営は大阪府の事務となることから、入園料に関しては大阪府において判断されます。天王寺動物園は府の条例に基づき管理運営されることになるため、入園料の減額、免除の対象につきましては、条例や施行規則に基づき知事が決定することとなっております。
佐々木議員 大阪府立の動物園になるわけですね。入園料については府民のうち特別区民を無料にするということを大阪府の条例で決めるということになります。話を例えますけども、東京にある都立の上野動物園、住民に対する優遇措置を設けてますけども、都内在住、在学の中学生の入園料を無料ということで、特別区民と特別区民以外の東京都民を基本的には平等に取り扱っております。天王寺動物園は地方自治法上のいわゆる公の施設であります。地方自治法第244条第3項において、普通地方公共団体は住民が公の施設を利用することについて不当な差別的取り扱いをしてはならないと規定されてます。普通地方公共団体である大阪府が住民である大阪府民のうち特別区民だけ入園料を無料とすることは、先ほど申し上げた不当な差別的取り扱いに該当しないのでしょうか。
副首都推進局 中野課長 入園料の設定や減額、免除の取り扱いは今後、大阪府において判断、決定されるものであります。その際には、特別区素案において示された大阪市の住民サービスの内容や水準の維持に努めるという事務の承継の方針を考慮したうえで地方自治法の趣旨を踏まえて判断されるものと考えております。
佐々木議員 全然、質問に答えられてないんですけども。不当な差別的扱いにならないのかという話なんですが。再度、確認します。大阪府が大阪府営になった天王寺動物園の入園料について特別区民だけを無料にするということですけども、これは不当な差別的取り扱いに該当するのか、しないのか。局として答弁をお願いします。
副首都推進局 中野課長 繰り返しの答弁になりますが、入園料等の取り扱いにつきましては、特別区素案に示された事務の承継方針や地方自治法の趣旨を踏まえて、大阪府において判断されることになります。地方自治法の逐条解説では、一般的には公の施設の利用にあたり身上、性別、社会的身分、年齢等により合理的な理由なく利用制限し、あるいは使用料を減額する等は不当な差別的扱いに該当するとされているところであり、合理的な理由があるのかどうか慎重に判断、検討されることになると考えております。
佐々木議員 今の答弁では、大阪府が住民である大阪府民のうち特別区民の入園料を無料とすることは、不当な差別的取り扱いに該当するのかしないのか、それについては全く分からない。普通に考えますと、大阪府が住民である大阪府民に平等な扱いをするのであれば、小中学生の入園料無料についても府域の全小中学生に対象を広げることになるのではないでしょうか。みんなたぶんこれを期待するんじゃないかと思います。にもかかわらず、特別区の素案では「住民サービスの内容や水準は維持するよう努める」と記載しています。大阪府民のうち特別区民の優遇措置は維持されるというふうに見えるんですけれども、ということは特別扱いするということですね。そもそも天王寺動物園の入園料について、もともとは大阪府内の小中学生は無料でした。橋下(徹)前市長の時に、大阪市が市民税で周辺市町村の子供の分まで面倒見る必要はない、とそういう話で平成25年の4月1日から大阪市外の小中学生を有料にしたという経過があります。特別区民、大阪市民の目線に立てば、天王寺動物園の維持管理費用は現在と同様、特別区民だけが負担するということになってます。いわゆる「財源」が(大阪府に)委譲していますから。万一、「不当な差別的取り扱い」ということになってしまって、今まで受けていた優遇がなくなるということになれば、これは市民怒ります。絶対に納得できないと思います。特別区素案において「大阪市が実施してきた特色ある住民サービスは地域の状況や住民ニーズを踏まえながら内容や水準を維持するように努める」とするのであれば、天王寺動物園が大阪府の所管になっても現在と同様、大阪市民の入園料を無料にすることが、地方自治法の不当な差別的取り扱いに該当しないのかということを、きちんとルールとして国に確認すべきだと思うんですけれども、国に確認したのか、国に確認していない場合はなぜしていないのかお伺いします。
副首都推進局 中野課長 ご指摘の点につきましては、大阪府へ移管する事務の具体的な内容や手法に関することでありますことから、今後、制度移行時までに大阪府において判断されるものと考えており、本件に関して国への個別の確認は行っておりません。
佐々木議員 制度移行時までに府に判断されると、国への個別の確認は行っていないということですね。仮に住民投票後に国に確認して、特別区民のみ入園料免除することは不当な差別的取り扱いであると、こんな見解が出たらどうなるんでしょうか。現在の入園料免除の取り扱いは維持できないということになりますけれども。住民投票までにその点は明らかにしとかないといけないと思うんですが。早急に国に確認するべきだと考えます。
副首都推進局 中野課長 一般的に事務の具体的な内容や手法については、当該事務を行う自治体において関係法令の趣旨を踏まえ、判断し運用するべきものであると考えております。
佐々木議員 府で判断していいんですね? 当該事務を行う自治体において判断し運用すべきものであると認識して、国に確認することは考えていないということなんですけれども、そこ不安が残るんですが。副首都推進局が作成した特別区素案において、大阪市が実施した特色ある住民サービスは内容や水準の維持するよう努めるとされておりますけれども、特別区素案に記載するのであれば、「制度移行時までに大阪府において判断される」というような他人事のような答弁では困るんですけれども、少なくとも住民投票までに、新たに事務を実施することとなる大阪府に確認するべきであると考えます。いかがでしょうか。
副首都推進局 中野課長 特別区制度の導入が正式に決定された後、市から府への事務の引き継ぎと合わせまして、個別の事務の具体的な実施方法や運用面につきまして制度移行期間中に大阪府において検討されることと考えております。
佐々木議員 府に確認しないんですか? 
副首都推進局 手向健二局長 その事務にかかわらずですね、大阪市から大阪府に引き継いでいく事務につきましては、(特別区設置)協定書にサービス水準を維持するということが明記されることになりましたらその方針も踏まえたうえで、事業ごと、全体の取り扱いについて具体に検討していく必要があります。その中で例えばこの事務であれば、特別区民だけが減免することができるのか、法の解釈としてできるのかということについては、事務の所管局が実施段階において判断し、議会にも説明する必要があります。もう一つのやり方としては、特別区だけじゃなしに府民に対象を広げるのかという選択も当然、事務移管時については事務の運用方法としてあり得る話だろうと思います。それらにつきましては、当然、この個別の仮定の話ではなしに、実際の引き継ぎ事務が確定した段階で、それらを所管する部局においてその時点で具体的な内容を検討して対応するものと考えておりますので、今の段階で仮定的な話の検討ということで府に確認して答えを求めるというものでは内容的にないと思っております。
佐々木議員 それやったら、素案にそない書かなあかんと思います。どうなる分かりませんというて。でないとミスリードになってしまいますので。本当に今の段階でそれも分からないと、でも今までの話で言えば住民サービスは維持しますっていうふうに言い切ってここまで来てるように思います。しかもあれだけの費用をかけてやるのにもかかわらず、それすら分からないという話です。
違う角度で言います。大阪府条例で定める、すなわち府議会で決定するということになりますよね。府議会の議員構成では特別区選出の議員は全議員の約3割です。そんな中で特別区素案で記載されているように住民サービスを維持するよう努めるかもしれないですけれども、制度的には住民サービスを維持できる保障はないということではないのでしょうか。そこで確認しますけれども、特別区設置後において府議会が現在と同様、特別区民の優遇措置を維持する決定を行い、現在の大阪市の住民サービスを維持する保障はどこにあるんでしょうか。
副首都推進局 中野課長 特別区素案では、高度できめ細やかな住民サービスを低下させないよう特別区及び大阪府は事務を適正に引き継ぐとしており、大阪市が実施してきた特色ある住民サービスについては地域の状況や住民ニーズも踏まえながら、内容や水準を維持するように努めることを方針としております。この事務の承継の方針が(特別区設置)協定書に記載された場合には、法定の規定に基づき府市両議会の議決及び住民投票という手続きを経てこの方針を確定されることになります。特別区設置後、大阪府へ移管する事務につきましては、(特別区設置)協定書作成にかかる経過を踏まえるとともに、大阪府の事務分担とした考え方ですとか、事務の承継にかかる方針も考慮しまして、大阪府において適切に対応されるものと考えております。
佐々木議員 要は議会でどうなるか分かりませんということですね。繰り返しになりますけれども、膨大なコストを大阪府民の中で大阪市民、特別区民だけが負担いたします。にもかかわらず、天王寺公園の管理運営事務をはじめ大阪市から大阪府に移管して、大阪府が実施し、大阪全体の安全・安心、都市づくりの一体性を確保する事務というのは、大阪全体で負担するのではなくて、財政調整財源の名の下に大阪府民の中の特別区民だけが負担することになります。特別区の素案で大阪市が実施した特色ある住民サービスはうんぬん……もう何回も言ってますけども、それの内容や水準を維持するよう努めると記載しております。しかしながら、先ほどの質疑で確認した天王寺公園の優遇措置一つを取っても、まず1点目に、現時点では国や大阪府に確認することもなく制度移行時までに大阪府において判断されるということで、ルールとして維持される保障はどこにもありません。2点目に、特別区設置後において大阪府議会が現在と同様、特別区民の優遇措置を維持する決定を行い、現在の大阪市の住民サービスを維持する保障もありません。この間、住民サービスの内容や水準を維持するよう努めるという記載は、バージョンアップの目玉であるかのような説明がありました。形だけと言わざるを得ません。正直に「ルールとして維持できるかどうか分かりません」また「府議会で可決される保障はありません」と書き直すべきだと思います。
 特別区が設置された場合、現在、大阪市が行っている特色ある住民サービスの内容や水準が維持できるかについては三つのパターンがあります。確実に維持できること、維持できるか分からないこと、維持できないこと。先ほどの(天王寺動物園の)優遇措置について大阪府が不当な差別的取り扱いに当たると判断すれば、これは維持できないこということになります。バージョンアップ、市民目線というのは、市民をミスリードしないためにも市民サービスがどうなるかについて「努める」とあいまいに記載するのではなくて、事実、すなわち、維持できるか分からないものは「分からない」、維持できないものは「できない」といったことを市民にきちんと示すよう要望して私の質疑を終わらせていただきます。

山田正和議員(公明)
 本当に特別区設置のために1000億円をかけてまでやるだけの意味があるのか、どういうメリットがあるのか、これ徹底的に議論しておかなければならないと考えております。
 特別区素案によりますと、広域機能を大阪府に一元化して、特別区を包括する大阪府が大阪全体の成長、都市の発展、安全・安心にかかわる事務を行うことになります。今日は公園事業について着目して質疑を行わせていただきまして、特別区が設置された後、大阪府が行う大阪全体の成長、都市の発展などの事務ついて、約880万人大阪府民の中で610万人の特別区民以外の大阪府民の負担に比べて、270万人の特別区民の負担が重くなっていて、結果的に特別区設置目的の一つである基礎自治機能の充実が果たせなくなるんじゃないか、そういった観点から質疑を行っていきたいと思います。
 私が調べましたところ、現在、大阪府営公園は大きい所で言うと服部緑地、久宝寺緑地、住之江公園、住吉公園、19の公園があります。一方、大阪市営の公園は中之島公園、大阪城公園、天王寺公園、鶴見緑地をはじめとして地区公園や地域身近にある街区公園など989の公園があります。現在この使用料収入での負担を除いて、これらの公園の維持管理などに要する費用については約880万人の大阪府民全体が負担しているのか、あるいは270万人の大阪市民が負担しているのか。例えば大阪府営公園の場合と大阪市営公園の場合、それぞれについて改めて確認させていただきたい。
副首都推進局 楠見雅信課長(財政調整担当) 現状、大阪府営の公園の維持管理には大阪府税が充当され、大阪市営公園の維持管理には大阪市税が充当されております。
山田議員 使用料収入を除きますと、大阪府営公園の維持管理には我々大阪市民も含めた大阪府民約880万人全体が等しく負担しておりまして、大阪市営公園の維持管理に要する費用については大阪市民約270万人が負担しているということであります。では特別区が設置された時には負担がどうなっていくのか確認していきたいと思います。
 まず、大阪市内には府営と市営合わせて約1000の公園がありますが、これらの公園について大阪府と四つの特別区に所管が分かれるということでありますけれども、どのような基準で仕分けられていくのか教えてください。
副首都推進局 中野課長 公園の事務分担につきましては、大阪全体の安全・安心、都市づくりの一体性を確保する観点から、規模が大きく災害時における後方支援活動拠点としての機能等を有する公園につきましては大阪府が所管することとしております。一方、住民に身近な公園につきましては地域の特性を踏まえながら維持管理する必要がございますため、特別区が所管することとしております。
山田議員 大規模公園については大阪府が所管し大阪全体の安全・安心、都市づくりの一体性を確保するということ、地域の身近な公園は特別区が所管するということです。では、大阪市から大阪府に移管する公園、大阪府からそれぞれの特別区に移管する公園は、具体的にどの公園なのか教えていただけますか。
副首都推進局 中野課長 大阪市から大阪府に移管する公園につきましては、長居公園、鶴見緑地公園、天王寺公園、大阪城公園、難波宮跡公園の5カ所となっております。大阪府から特別区に移管する公園は住之江公園及び住吉公園となってございます。
山田議員 特別区素案ではこれらの公園の維持管理に要する費用を誰が負担することとしているのか確認します。大阪市から大阪府に移管されて新たに大阪府営公園となる天王寺公園など五つの公園について、維持管理に要する費用は他の府営公園と同様、約880万人の大阪府民全体が負担するのが当然だと考えるんですけれども、そうなのか。あるいは、財政調整財源を充当することによって大阪府営公園であるにもかかわらず、現在と変わらず約270万人の特別区民、大阪市民だけが負担するのでしょうか。
副首都推進局 楠見課長 特別区素案におけます財政調整では、住民に身近な事務は特別区、大阪全体の成長、発展、安全・安心にかかわる事務は大阪府とした役割分担に基づき、大阪市が現在実施しております住民サービスを特別区と大阪府が適切に実施できるよう必要となる財源を配分することとしております。大阪市から大阪府に移管される公園の維持管理につきましては、大阪府に配分されます財政調整財源を活用することとしております。
山田議員 天王寺公園など五つの公園は、政令指定都市大阪市を廃止して四つの特別区が設置されれば、大阪府が所管し、大阪全体の安全・安心、都市づくり一体性を確保するということになるにもかかわらず、その維持管理費用は現在と変わらず大阪全体ではなく約270万人の特別区民だけが負担する、すなわち財政調整財源で手当てされるということであります。でも、これ新たに(特別区は)中核市並みの基礎自治体ということで、(特別区の一つである)東西区の区域には今の五つの公園はいずれも所在してません。四つに分かれた後ですね。府内中核市である東大阪市、高槻市、豊中市、枚方市、八尾市の市民はこれらの新たに大阪府営公園となる五つの公園の維持管理費用は負担しないということになっています。繰り返し申し上げてきましたけれども、特別区は「チーム特別区」「元大阪市」ではなくって、四つの独立した自治体であります。東西区の約50万人の区民は大阪市民であったというだけで、新たに大阪府営となる五つの公園の維持管理に要する費用を負担することになります。なぜこんな制度設計になっているのか確認します。
副首都推進局 楠見課長 大都市地域には人口や企業が高度に集中し特有の行政需要と税収力が一体的に備わるという地域特性があり、都区制度はそうした地域特性がとりわけ強い地域において適用される制度であります。その特徴の第1は大都市地域において複数の特別区を設ける一方、行政の一体性、統一性の観点から広域自治体である都が市町村事務の一部を担うという事務分担にあります。第2の特徴といたしまして、全特別区の区域から得られる財源の一部を全特別区の共有財源として財政の調整を図るという財源配分にあります。府内中核市との違いということでお尋ねがありましたが、今申し上げたような特徴から事務と財源に関する都と特別区の関係は、おのずと一般の道府県と市町村の関係とは異なるものでありまして、そのまま比較することはできないと考えております。特別区素案では、特別区と大阪府の事務分担に応じて必要となる財源を配分する制度設計とすることで、サービスの担い手や税の収め先が変わっても特別区と大阪府が現行の住民サービスを適切に提供できるようにしたところでございます。
山田議員 都と特別区は一般道府県と市町村との関係と違うとおっしゃったんですけれども、政令指定都市大阪市が廃止されるならですね、新たな独立した自治体となる東西区の区民と府内中核市である豊中市、東大阪市などの市民の負担が何で違うのかというのが、うまくすっと納得できないんですね。何が違うんでしょうかね。(東西区は)何で? うち公園もないのにって。大阪府が行うことになる事務について市町村財源である調整財源を充てるのは、これらの事務について市町村の事務であるということ、人口が高度に集中する大都市地域すなわち特別区域における行政の一体性、統一性の確保の観点から特別区域を通じて大阪府がやりますよと、処理しますよということが必要である事務ということなんですよね。何べんも言いますよ、消防とか下水道といった事務については特別区域における行政の一体性、統一性の観点から大阪府が一体的にやるということで、財政調整財源を充てるというのはこれは理解できるんです。服部緑地など従来から大阪府営公園であった公園は約880万人の大阪府民全体が負担し、天王寺公園などの特別区設置に伴って新たに大阪府営公園となる公園は270万人の特別区民だけが負担する。こんなように特別区が設置されれば同じ府営公園であるにもかかわらず負担に差があります。特別区が設置されれば、大阪府が所管し大阪全体の安全・安心、都市づくりの一体性を確保することとなる、例えば天王寺公園が担うことになる機能と、従来から大阪府が所管している例えば服部緑地公園が担う機能と、何が違うんでしょうか。
副首都推進局 楠見課長 公園の設置管理を含めまして現在、大阪府は府域全体、大阪市は市域全体の発展という観点からそれぞれの財源負担の下で広域的な役割を担っております。現在、市が設置しております天王寺公園などの管理につきましては、人口や企業が集中する大都市の行政需要に的確に対応するため地域の税収力を生かした大都市地域におけます市町村事務として大阪市が実施しているものと認識しております。これら市域の発展といった観点で大阪市が実施している事業を大阪府に承継するとともに、これに対応して必要な財源を大阪府に配分することとしております。なお、都市公園法に基づき設置されている点では同じと考えております。
山田議員 天王寺と服部緑地で機能が違うんですか。違うか、同じか、お答えください。
副首都推進局 楠見課長 都市公園法に基づき設置されている点では同じと考えております。
山田議員 一緒っちゅうことですよね。

(若干省略)

山田議員 住民サービスを維持するためにちゃんと制度設計やって事務配分やってますよということなんですが、これ裏返して見れば、今まで通りの負担を維持せえへんかったら成り立たないですよと、特別区にメリットを与えられる制度にはならないですよということを言ってんのちゃうかなと。何が(大阪都構想の)メリットなのかと思います。特別区素案の特別区設置の目的には二つの柱がありまして、一つは広域の一元化、もう一つは基礎自治機能の充実。特別区の設置にあたっては1000億円のコストが発生し、それは全部、大阪市民が負担することになります。まだ上ぶれの可能性もあります。加えて、本来、市町村事務に充てられるべき市町村の財源が、いわゆる財政調整財源という形で広域行政に充てられるとその分、基礎的行政に回せる財源が減ってくる。特別区設置目的の一つである基礎自治機能の充実は果たし得なくなるんではないかと思うんです。そうであれば大阪市民は1000億円を超えるコスト、特別区の設置コストを払っただけで何のメリットもないやないか、損やないかということになりかねないんですよ。
 例えば、大阪府に移管し大阪全体の安全・安心、都市づくりの一体性を確保することとなる五つの公園の維持管理に約270万人だけが負担する財政調整財源は充てずに、他の大阪府営公園と同じく880万人で負担すれば、その分、特別区に配分される財政調整財源は増えるじゃないですか。増えた分で例えば四つの特別区の所管となる公園の遊具を増設したり、いろんな改修をしたりできれば、基礎自治機能がより充実して市民にメリットあるよねって言える制度設計なんですよ。今のこれで何がメリットなのか僕よう説明しません。今みたいな具体的な「これだけ浮きますよ」ってのがあればいいんですけども、この間、市長、知事、また法定協で維新の(議員の)皆さんも「単なる財源の付け替えですよ」と「(大阪市が)今までやっていたのを(大阪府に)持って行くだけですよ、今までと市民の負担は何ら変わるものではない」と答弁されました。しかし財政調整制度構築にあたっては単に事務分担に応じて機械的に財源を付け替えるんじゃなくて、やはり地方自治法の趣旨に則ってそれぞれの事務について大阪府域だけじゃなく特別区域内で一体性、統一性を確保する必要があり、それによって特別区民にどういったメリットが生じうるのかきちんと検討を行ったうえで、大阪府に移管した事務に財政調整財源を充てるかどうかの判断を行わなければならないと思います。そうすると、都道府県権限に整理し大阪全体の安全・安心、都市づくり、一体性を確保することになる公園の事務に、市町村財源、財政調整財源を充てるという今回の特別区素案で示された制度設計にはならないんじゃないかと思うんです。
 特別区設置後の大阪府営公園は2種類に区分されます。一つは特別区を設置する前から大阪府営公園であったもの、もう一つは特別区移行後に新たに府営公園になるもの。この公園の管理者はいずれも同じ大阪府であって公園の設置目的も大阪全体の成長、都市の発展に必要なものということです。にもかかわらず、費用負担が異なる制度設計となっている。特別区民も同じ大阪府民なのに、同じ府営公園であるにもかかわらず大阪市から大阪府に移管される新たな府営公園に限って270万人の特別区民だけがその管理を負担させられることになります。本当にこれが市長がおっしゃるような大阪市民目線の制度設計と言えるのかどうか疑問でございます。具体例として公園事業を取り上げましたけれども、特別区設置に伴い新たに大阪府が大阪全体の安全・安心と都市づくりの一体性を確保するために実施する広域事務に財政調整財源を充てるべきではないと考える事務、また少なくとも本当に財政調整財源を充てるべきか、真摯に議論しなければならない事務があると思います。河川、幹線道路、高等学校、精神保険福祉センターなど他にもたくさん事務の分担がされております。特別区設置の目的の一つは住民自治、住民自治機能の充実です。このためには大阪市民の目線で、大阪全体で負担するのではなく特別区民だけが負担する財政調整財源を充てるのか充てないのかについてしっかり議論していかなければならないと思います。議論をしっかり今後、行っていくためにも、大阪府に移管し大阪府が大阪全体の安全・安心、都市づくりの一体性を確保することとなる事務について、特別区域内でどのような一体性、統一性を確保するのか、またそれによって特別区民にどういうメリットが生じるのか、具体的にこういうサービスが向上しまっせと、それには財源が必要です、といった資料もしっかり示していただくのを強く要望します。今後、その示された資料をもとに当委員会や法定協議会において、現在の特別区素案のように単なる財源の付け替えというんじゃなくて市長がよくおっしゃる市民の目線に立って大阪市から大阪府に移管するどの事務に財政調整財源を充てるのか、どの事務に府税を充てるのかといった議論をしっかり行っていきたいと申し上げます。