2018年12月13日 大阪市議会の大都市・税財政制度特別委員会開催。大阪都構想の制度設計と経済効果について野党会派は矛盾点を鋭く追及

 大阪市議会の大都市・税財政制度特別区委員会が12月13日、開催されました。大阪万博の誘致決定後、初めての大都市委員会ですが、大阪府議会の開催と重なったため副首都推進局は手向健二局長をはじめとする大阪府職員は誰もおらず、事務局は大阪市職員のみ。自民党会派の黒田當士議員は「こんなイレギュラーな開催はやるべきでない」と苦言を呈しました。大阪都構想の制度設計に関する問題点と、嘉悦学園に算出を委託した「大阪都構想の経済効果」の非現実性に質疑が集中しましたが、野党会派の質問はかなり緻密にそれぞれの矛盾点を抉り出しています。副首都推進局は決まり切った文言の答弁を繰り返すだけで、合理的な説明や反論はないまま。公明党会派の質疑では東山潔財政局長が答弁に立ち、嘉悦学園の主張をひっくり返す一幕もありました。
 以下、議事内容の抜粋です。

<大阪維新の会>

大内啓治議員 大阪万博の開催、決定しまして、大阪府民、市民、本当に喜んでいるところでございます。その誘致に関して、知事をはじめとして吉村市長も東奔西走されて誘致に至ったということで、本当にお疲れ様でございました。これからが大変ですけれど、また頑張っていきたいと思います。
 この万博の成功、オールジャパンで取り組んだのが一つの大きな要因だと思います。しかしですね、府と市がバラバラであったら、この万博の立候補すらかなわなかったと思います。知事と市長が人間関係をもとに府市一体となって同じ方向を向いて取り組んでこられたから、万博誘致の立候補もそうですし、誘致の成功が実現したと思います。これからは万博の成功のために頑張っていかないといけないんですけども、そして大阪、関西の経済成長を果たしていかなくてはなりません。ですから万博開催準備にあたっては、今まで通り国、経済界とともに引き続き府と市が一体となって取り組みを進めていくのが重要であると思います。そこで、これらの施策をさらに強力に進められるように府市の一体化、広域機能の強化が求められております。そのためには人間関係に頼るという脆弱な関係にとどまらず、私も約20年間、議員生活を経験しておりますけども、その20年間を見ても、そしてまた明治22年に大阪市政が誕生してから府と市の歴史を見ても、今のように知事と市長が一体的になって取り組んでいるというのは非常に稀有な時代であると、稀有な関係であると実感として思うわけです。ですからこれからは、恒久的に制度として確立する必要性があるということ、このこともさらに多くの人がその必要性があると認識してくださってるんじゃないかと思います。ですから大都市制度協議会(法定協議会)で設計図を作るわけですが、大都市制度協議会の開催を府民、市民、多くの人が期待していると思います。そこで詰めた議論を早期に行っていく必要があると思うのですが、再度、市長のお考えをお聞きしたいと思います。
吉村洋文市長 まず、万博の誘致に関してですけれど、一番、大きいのは、大阪市民の皆さん、それから府民の皆さん、関西の皆さんが「大阪万博誘致しようと」と積極的に応援してくれたのが一番大きかったと思います。その土台のもとに国、経済界、大阪府市一体になってまさにオールジャパンの誘致活動をしたと思います。まさにオールジャパンで勝ち取ったものでありますし、その根底にあるのは大阪の皆さんが支えてくれたのが一番大きな原因だったんだろうと思います。ただその土俵に立つにあたっては、大阪市、大阪府が、普通は常にバラバラになるんですけれども、大阪市、大阪府が一体になって進めてきたというのも非常に大きな万博誘致の原因だと思います。府市がバラバラにやっていれば実現できなかったと思いますので、そういった意味では府市が一体になれば非常に大阪に大きな力が生まれるということを証明したものでもあるのかなと思っています。もちろん万博はまたオールジャパンで成功させなくてはなりませんし、これを成功させることで大阪の原動力、大阪の成長をさらに目指していきたいと思います。
 制度論に関して言うと、今の市長、知事、同じ方向を向いてできるだけ大きな成長戦略をやっていこうと、そういう戦略も立ててやってますけれども、これは歴史的に見たら極めて稀有な状況ですし、ある意味、今のが異常な状態なんだろうと思います。市と府はバラバラが普通というのが大阪だと思います。そういったものを人間関係に頼るんじゃなくて制度的に大阪の成長の部分については一元化して、二重行政を解消していこうと、司令塔を一本化していこうと、広域行政についてはその方針で進めた方が大阪というのは大きな力を発揮できるんじゃないかと思っています。大都市制度改革については進める必要があると考えています。この間、平成29年春に法定協議会を立ち上げまして、大都市制度の議論を重ねてきました。もうすぐ平成31年になろうかという時期ですし、法定協議会のメンバーである議員の皆さんの任期もまもなく満了するというような状況であります。これまでの協議を踏まえて委員間協議に入って、大都市制度の法定協議会で特別区設置協定書の取りまとめを行うべきだと思っていますし、しっかり進めていくべきだと思います。

<自民党>
福田武洋議員 特別区の設置には1500億円ものコストがかかるということでいろいろ指摘されてまいりました。コストに関する見積もりもずさんで粗いものと思っています。何よりも財源と職員体制をしっかり確保しなければ、特別区が住民ニーズに応えた事業を展開することができません。基礎自治サービスの充実は特別区が担っていくわけですが、大阪市が現在提供しているサービス水準を維持するのが本当に実現可能なのか。
 今回は大阪府に移管される事務について詳しく聞いていきたいと思います。これは府税で負担すべきものがあるにもかかわらず、特別区素案では財政調整財源で負担することになっております。単に大阪市の財源をすべて大阪府に付け替えるだけ、財源付け替え方式と言いたいと思いますが、特別区には新たな財源がいっさい確保されていません。これでは基礎自治サービスの充実などできるものではありません。副首都推進局はこれまで財政シミュレーションにより特別区の財政運営が成り立つことを示してきたと、だから大丈夫なんですというお答えがありましたが、財政シミュレーション自体も都合よく数字を切り取っただけで、恣意的なもので全く信ぴょう性がないこともこれまで指摘させていただきました。そのためには特別区設置に必要な莫大なコストを超える新たな財源を特別区に担保しなければならないんです。大阪市を廃止して特別区を設置するという改革を行うのであれば、大阪市が行ってきた事務を大阪府自らの力で支える覚悟がなければなりません。大阪府はそれまでの財政力、覚悟があるとは思えません。広域一元化という名目で一般財源約2000億円を大阪府に付け替えるだけ、財源付け替え方式をさも当たり前のように説明されておりますが、法令で規定されているわけでもなく、これを前提にしなければならないということでもありません。大阪府の財政状況をこれ以上、悪化させられないためこの財源付け替え方式を絶対に譲れないという素案の内容になっております。
(若干省略)
 (特別区素案では)大阪府に移管する428事務すべてに大阪市から移管される財政調整財源を充当することとなっています。この428事務すべてに市町村税を財源とする財政調整財源を充てるのはおかしいという指摘がこれまでもありました。地方自治法第281条の2には、特別区を包括する都が所管する事務(東京都の場合)について規定されているとのことです。どのように規定されているのか、また、大阪に特別区が設置された場合、都の事務に関する規定は大阪府にも適用されるのかお答えいただけますか。
副首都推進局 楠見雅信課長(財政調整担当) 地方自治法281条の2は、都と特別区との役割分担の原則を規定する条文です。第1項で都が処理する事務、第2項で特別区が処理する事務について定めるなどがされています。まず、都が処理する事務は地方自治法第2条第5項におきまして都道府県が処理するものとされている事務、次に特別区に関する連絡調整に関する事務、もう一つ、同法第2条第3項において市町村が処理するものとされている事務のうち人口が高度に集中する大都市地域における行政の一体性及び統一性の確保の観点から、当該区域を通じて都が一体的に処理することが必要があると認められる事務の三つが規定されております。なお、特別区設置法第10条によりまして、特別区を設置した場合、諸法令の適用上、関係都道府県は原則、都とみなすとされていることから、地方自治法第281条の2に定めます都が処理する事務は大阪府にも適用されることとなります。
福田議員 大阪市が無くなったらこれまで政令市である大阪市が担ってきた事務を大阪府と特別区にどう振り分けるのかは、地方自治法第281条の2に規定されている都と特別区が処理する事務に振り分けるとなっております。本来、都道府県は市町村が処理する事務を処理すべきではありませんが、市町村事務であっても大都市地域における行政の一体性及び統一性の観点から都が処理するのが認められる事務があると。つまり特別区がある区域において都が処理する事務には、都道府県事務と市町村事務が混在しています。これまで議会や法定協議会においても、大阪府に移管する事務には府税で負担すべきものがあるとか、大阪府に移管する事務すべてに市町村税を財源とする財政調整財源を充当するのはおかしいといった指摘がありました。それは(地方自治法第2条第5項で都道府県が処理するとされている事務と特別区に関する連絡調整に関する事務)都道府県事務のため府税で負担すべきものであり、市町村税を財源とする財政調整財源は充てるべきでない。要は財政調整財源を充てることができるのは、市町村事務であっても大都市地域における行政の一体性及び統一性の観点から都が処理するのが認められる事務だと指摘しておきます。このような指摘がこれまであるにもかかわらず、大阪府に移管するすべての事務について財政調整財源を充当する制度設計をしたのはなぜですか。
副首都推進局 楠見課長 現在、大阪市は、人口や企業が集積する大都市で生み出される税収力をもとに大都市特有の行政需要に対応するために様々な事務を担っております。こうした大都市における市町村事務につきまして事務処理の役割分担の面では、広域機能を大阪府に一元化し、基礎自治機能を特別区が担うということを徹底したうえで、財源の面ではこの分担に応じて現在の大阪市の財源を配分することによりまして、特別区と大阪府が現在の住民サービスを適切に提供できるよう制度設計をお示ししたところでございます。国の地方制度調査会答申におきましても、現在、指定都市が処理している任意事務につきましても道府県と特別区の間の事務分担に応じた財源上の配慮が必要とされております。
福田議員 結局のところ、大阪府に移管する事務はすべて、市町村事務であっても大都市地域における行政の一体性及び統一性の観点から都が処理するのが認められる事務に当たるということですが、いかがですか。
副首都推進局 楠見課長 ただいま申し上げましたように大都市地域における市町村事務といたしまして、現在、大阪市が実施している事務につきまして特別区、大阪府が適切に実施できるよう財源を配分するというのが、財政調整の制度設計における考え方です。特別区制度は特別区が設置された大都市地域においては、事務の役割分担と財源配分に特例を設けるという制度でありまして、第281条の2の規定はそのうちの役割分担に関する原則を定めたものでございます。同条の解釈に関しましては、逐条解説で「通常の地域では市町村が処理することとされている事務で都が処理するものは、人口が高度に集中する大都市地域における行政の一体性及び統一性の観点から、当該区域を通じて都が一体的に処理することが必要であると認められる事務」だと述べられておりまして、現在の大阪市地域は特別区制度が適用されていない通常の地域と理解しています。そのため、特別区の設置に伴い、政令市である大阪市が実施している事務を大阪府が処理することとなる際は、大都市地域における市町村事務として移管されるものと考えています。
福田議員 今のお答えの中に、実に都合のいい解釈のもとにこれに関する事務を定義づけしていることが示されておりました。「通常の地域では」というところなんですね。逐条解説では、通常の地域で市町村事務を都が処理するうんぬんというところがありました。それはすべて「市町村事務であっても大都市地域における行政の一体性及び統一性の観点から都が処理するのが認められる事務」に当たるということなんです。通常の地域で処理される市町村事務とはどこまでのことを言うのか、ということなんですね。
 普通に考えれば、市町村事務とは吹田市や豊中市といった一般的な市町村が処理する市町村事務のみであって、政令市が行っていた広域事務をすべて市町村事務だなんて言えないはずです。政令市だから本来、都道府県が処理するとされている事務も大阪市が行ってきた。「通常の地域ではない」大阪市が処理してきたものです。副首都推進局が、大阪市が政令市として行っていた事務も市町村事務だと答えるのは、そうしないと大阪府に移管する事務に財政調整財源を充てることができないからです。誠に都合のいい解釈だと思います。
 大阪市が政令市として行ってきた事務の中には大都市特例事務も含まれると思います。これらは政令市が無くなれば当然、都道府県事務に戻るのではないかと考えます。地方自治法第252条の19はどのように規定されているのかお答えいただけますか。
副首都推進局 楠見課長 地方自治法第252条の19は、指定都市の権能を規定しております。都道府県が処理するとされる事務のうち、列挙された20事務については政令市が処理することができるとされ、具体的な移譲根拠は政令で定めることができるとされています。
福田議員 地方自治法第252条の19の規定によれば、法令で府県事務と定められているもののうち、政令市で処理することが出来る事務が政令で定められているということです。この政令で定められている事務がいわゆる大都市特例事務ですが、同法の規定を踏まえますと政令市が無くなるとその政令市が処理していた事務は、当然、都道府県事務になるんではないですか?
副首都推進局 楠見課長 政令市から一般市になる場合につきましては、大都市特例が適用される事務や財源は都道府県に移転することとなりますが、これにつきましては事例もなく現実には想定しがたいと考えています。一方で、大都市制度としての特別区制度を導入することで政令市を廃止する場合は、特別区設置法に基づく協議によりまして事務の分担や税財源の配分などを定めることとなりますが、都道府県が処理することとなる事務はご指摘の大都市特例事務も含め、大都市地域における市町村事務として移管されるものと考えております。
福田議員 今のご答弁ですね、非常に勝手な解釈をされているなあというところがありまして、「政令市から一般市になる場合は大都市特例が適用される事務や財源は都道府県に移転することになるが、これまでに事例もなく現実には想定しがたいと考える」とご答弁されておりましたが、「想定しがたい」と言いながら、宝くじ収益など政令市が持つ財源だけはちゃっかりと大阪府に移転されております。宝くじの収益金は市立図書館の図書の購入、市道の清掃、スポーツセンターや屋内プールなど市民生活の身近なところに活用されて役立てられております。大都市地域を支える財源として、広域事務だけではなくて基礎自治サービスにも充てられる財源でありまして、これを当然のように広域に移管するのはおかしいのではないかと思います。宝くじの法律により特別区が販売することはできないかもしれませんけれども、こういった財源こそ財政調整の中で配慮するようにこれから協議するべきではないでしょうか。これも大阪府の都合の良い財源配分になっていると思ってしまうわけであります。
 次に、「大都市特例事務を含め大都市地域における市町村事務として(大阪府に)移管されるものと考える」というふうにも述べられておられましたが、この大都市地域における市町村事務と言えば許されるかのように当たり前に使っておりますけれども、その根拠や定義は何なのか、特別区設置法に基づくというのであれば特例法において規定がされているんでしょうか。只今の答弁では「……と考える」と述べられておりましたので、副首都推進局の独自の解釈のようにも思うわけであります。大都市地域における市町村事務は法定に規定されているのか、お答えいただけますか?
副首都推進局 楠見課長 大都市地域における市町村事務につきましては、地方自治法第281条の2第1項の事務のうち、都が処理すると規定された市町村事務という意味で申し上げております。
福田議員 大都市地域における市町村事務というのは、法令上明確に規定されているんでしょうか。されているのかいないのか答えていただけますか?
副首都推進局 小林真澄部長(制度企画担当) 特別区設置法等の法令によって明確な規定はございません。
福田議員 結局、地方自治法にも特例法にもいずれにも明確な規定はされていない。副首都推進局の独自の解釈に過ぎないというわけです。特別区素案がいかに思い込みで作られているかということです。
 特別区素案では、大阪市の事務のうち、大都市特例事務、市町村事務(下水、消防)、任意事務(広域)が大阪府に移管をされます。その財源はすべて市町村税を税源とする財政調整財源が充てられることになっております。財源付け替え方式であります。大都市特例事務ですが、現在、大阪市は政令市として都道府県事務を処理しております。これが大都市特例事務でありますけれども、大都市制度改革によって政令市である大阪市が無くなれば、都道府県事務になるので大阪府が処理することになります。ところが、特別区素案の考え方では大都市特例事務も市町村事務と位置付けております。しかしながら法令を踏まえますと、都道府県事務になるはずなんです。市町村税を税源とする財政調整財源を充てるべきではなく、新たな府税を充てるべきであります。ちなみに、市町村事務の下水、消防のみが、大阪府が処理するけれども本来は市町村事務なので、財政調整財源を充てることができると考えております。大阪市から大阪府に移管される事務が、市町村事務なのか都道府県事務なのかでどの財源を充てるべきか変わってきます。まさにここがポイントになってきます。428事務すべてが大都市地域における市町村事務に当たるのかといった議論が法定協議会でもなされていましたが、今後も綿密な精査をしていかなければなりません。

前田和彦議員 (大阪都構想の)経済効果に関して1兆円の議論が続いていますけれども、その中の財政効率化効果について質疑をしていきたいと思います。(経済効果を算出した嘉悦学園作成の)この報告書は公平性、客観性があるのかといろいろ今まで質疑してきました。財政効率化効果が1年間で約1141億円出てきます、それが10年間続くので1兆1400億円の財政効率化効果があると、そういう報告書になってます。だけど具体的に1000億円をどうやって落とすの?って聞かれると、いやなんか将来的に勝手に自動的にそうなるんですわ、みたいな答弁しか聞いていないわけです。府議会の方でも議論なってますけれども、1091億円、特別区の財政効率化効果を算出するにあたって、本来、含めるべきじゃない大阪府に移管されるような大学であるとか、病院であるとか、いろんなものが含まれてしまっている。それを差っ引くと効果がないんじゃないかってそういう指摘もされているところです。そんな中ですね、私の方で財政効率化効果を算式の部分も含めて確認します。
 財政効率化効果っていうのは、大阪市の実績値と、モデルとなっているU字カーブから導き出される理論値という二つの数字を使って、それを差し引いて財政効率化効果を出してるんです。この二つの数字が財政効率化効果額の算定方法、どんなふうに算定されているのか分かりやすく説明していただけますか?
副首都推進局 橋本志津子課長(企画担当) 特別区につきましては、対数変換した1人当たり歳出を、対数変換した人口、人口の二乗根、対数変換した面積等で表す歳出関数を推定し、全国の市町村データを用いましてそれぞれの係数を推定しています。ここで得られた歳出関数に、(特別区)素案で示されている区ごとの人口と面積を代入することで各区における1人当たりの歳出額の理論値を推計し、特別区4区の理論値と大阪市の歳出実績から大都市特有の事務等を除いた実績値との差を特別区設置による財政効率化効果としております。この場合の歳出の実績値とは、大阪市の歳出から公債費、扶助費、大都市特有の事務及び政令市の事務の費用を除いたものでございます。
前田議員 今回、報告書に書いてある財政効率化効果ってのは、U字カーブが一つポイントになってくるんですね。U字カーブってのは、全国の市町村データから引っ張ってきて推定式を算出してるんです。大阪市の歳出額の実績値から特別区の歳出額の理論値を引いた額が1141億円としているので、この二つの数字が非常に重要になってきます。
 そこで確認します。まず、特別区における理論値、大阪市の実績値を求めるにあたって、基礎とした歳出額、それぞれ決算額、予算額のいずれでしょうか?
副首都推進局 橋本課長 いずれも公表されている直近のデータに基づいて算出されたもので、理論値につきましては総務省の市町村別決算状況調べにあります平成28年度決算から、実績値につきましては第9回大都市制度(特別区設置)協議会で参考資料として示されました特別区、大阪府事務分担案の平成28年度の予算額により1人当たり歳出額が認められております。
前田議員 つまり何を言っているかと言いますと、(特別区の歳出額の)理論値が全国の市町村の決算データから引っ張ってきている数字に基づいて算出されたものです。一方、(大阪市の)実績値は予算を使いましたってことなんです。特別区、大阪府事務分担案の平成28年度の予算案を使いましたと。確認なんですけど、普通に考えると、予算額と決算額ってどっちが多いかっていうと、予算額が大きいんです。全国の市町村データが決算を使っているんであれば、何で大阪市は決算額を使わなかったんだろうと不思議に思いました。では、決算と予算はどれぐらい差があるのか聞いてみたいと思います。平成28年度の(大阪市の)一般会計における当初予算額と決算額それぞれいくらで、その差額はどうなってるのかお答えいただけますか。
副首都推進局 楠見課長 平成28年度の一般会計における歳出の当初予算額は1兆6509億円、決算額は1兆5819億円となっており、差し引きは690億円となっております。
前田議員 財政効率化効果の中に予算の数字と決算の数字が混在しています。大阪市の28年度も決算で取らないと全く数字の整合性ないことになっちゃうんです。特別区(大阪市?)の歳出額の実績値と(特別区の)理論値が報告書上、どうなっているかお答えいただけますか。
副首都推進局 橋本課長 公債費と扶助費を除く大阪市の歳出額の実績分につきましては、(嘉悦学園作成の)報告書48ページの表にございます通り6615億2298万3000円となっております。特別区4区の理論値の合計につきましては、同じ報告書48ページの表にございますが、東日本大震災の被災地について定数項ダミーで処理をしたモデル1のケースでは5474億3581万4000円。被災地のサンプルを落としたモデル2のケースでは、5511億1961万9000円となっております。
前田議員 もともと1兆何千億って数字は大阪市の歳出総額です。その中から大都市と政令市事務を除いて、予算ベースで出すと6615億円。一方で、(特別区の)理論値の数字は5474億円。この差が1141億円です。でもよく考えてみたら、予算より決算の数字の方が小さくなる可能性が大だと思います。これ決算と決算で数字を合わせると、この1141億円がどんどん圧縮されていくんです。まずそもそもなんですけど、6615億ってのはどういうふうに求められているか調べました。事業の予算額を積み上げて6615億円ってやってるんです。
(若干省略)
 同じ項目で決算数字に直すと6108億円になりました。507億円の差があります。6615億円がずーっと小さくなって6108億円になる。数値に間違いがないか副首都推進局として(嘉悦学園の報告書を)確認してるんですか。
副首都推進局 橋本会長 大阪市の実績値につきましては、第9回大都市制度(特別区設置)協議会で参考資料として示された特別区、大阪府事務分担案の平成28年度予算額により1人当たり歳出額を求めていること、また、報告書47ページある大阪市歳出仕分けの方法につきまして報告書86ページに記載の手順により算出されたものであることを確認しました。
前田議員 要は決算数字でやったら507億円吹っ飛ぶのに、予算を使っていること自体指摘しないといけないんじゃないですか。それをやってないのはなぜか良く分からないんですけれども、実際、事業者(嘉悦学園)の方は11月の事業者に対する説明の時に、事業者自体は不備があったら補正して修正するというコメントまでしていると思うんですけど、その辺、何で指導しないのか教えていただけますか?
副首都推進局 橋本課長 平成28年度決算に基づく事務一覧は委員(前田議員)からの資料要請に基づいて作成されたものであり、今回の調査委託の契約期間内に事業者が公表データとして入手できるものではございませんでした。事業者は入手可能な直近の公表データに基づいて試算を行っております。妥当なものと考えています。
前田議員 予算と決算を用いるのと、どっちの方が客観性が担保されていて、どっちの方が公平なんですか。答えてください。
副首都推進局 阪田洋部長(副首都企画推進担当) 予算とか決算の方は年度ごとに変わるものです。予算が決算を上回る年もあればその逆もあるということで、今回、利用可能なデータが予算ベースのものでしたのでそれを用いたことは妥当な算出と考えています。
前田議員 それぐちゃぐちゃですよ。予算の方が大きいのは当たり前なわけで、しかも私が依頼して出てきたもので計算して作った数字ですからね。しかも28年度の決算とか予算とかもう既に数字であるじゃないですか。予算でやってることを指摘もせずに決算数値でやってないことを逸らしているだけじゃないですか。今からでもやり直した方がいいんじゃないですか。
副首都推進局 田中義浩理事 既に委託として業務を終えておりますので、まずは提出された報告書をもとに議論をしていただければと思っております。
前田議員 事業者の説明によれば「有識者として知見があるところなのでお役に立つ部分があればご提供していきたい」って言ってますしね。おかしい数字が使われていて今、大阪市に数字があるんであれば提供してやり直したらいいじゃないですか。507億円変わるってことは10年間で5700億円変わるってことですからね。やり直す必要があると思います。局内で検討していただけませんか?
副首都推進局 橋本課長 今回の契約としましては、契約期間を過ぎて契約を終了しております。繰り返しになりますが、事業者は当初、入手可能な公表データに基づき試算を行ったもので、妥当な計算方法を行ったものと考えています。
前田議員 事業者も「ご提供していきたい」って答えてるんだったら、やらしたらいいじゃないですか。局内でしっかり検討してください。
 次、行きますけれども、結局どうなるのかってことです。もともと1141億円って財政効率化効果がありました。予算ベースで作られたもので、決算ベースで作ると507億円減るので財政効率化効果が一気に634億円になります。予算を決算に変えるだけで10年間で5070億円吹き飛ぶんです。1兆なにがしって言ってますけども半分ぐらいになる。本当に信ぴょう性あるんですかね、この報告書。
 確認ですが、先日の10月22日の府議会の質問で、大阪市の実績値のうち特別区に移管されない事務についての事業費の合計額と内訳が示されていたと思うんですが、その合計額と内訳、そしてどのように特別区に移管されない事務を抽出したか教えていただけますか?
副首都推進局 橋本課長 お尋ねの事務は平成30年4月6日の第9回大都市制度(特別区設置)協議会で参考資料として示された特別区、大阪府事務分担案を用いて、報告書の補論の部分において示されております大阪市歳出の仕分けの手順に則って抽出したものであります。具体的には事務分担案の資料におきまして、法令の規定により地方公共団体の事務に分類されているもので、新たな大都市制度移行時に当該事務を行う主体が「広域」とされているもの、大学、病院などこれが約345億円。法令の規定により一般市の事務とされているもので、新たな大都市制度移行時に当該事務を行う主体が「広域」とされているもの、下水道、消防など約746億円で、合計1090億円でございます。なお合計額は人件費を除く総事業費は28年度当初予算の額、人件費は事務分担案に示されている28年5月1日現在の執行体制をもとに計算した額を合計したものでございます。
前田議員 答弁いただきましたけれど、1091億円っていうのが今現状ですね、特別区の効率化効果を求める時に、大阪市の実績値の中に大阪府の方に移管する大学、病院が345億円、下水道とか消防なんかが746億円、これが入ってるんです。この1091億円っていうのがこれまた予算で出されてたので、私、決算額に直して数字を出してみたんです。1079億円になりました。先ほどは予算額を決算額に直したら507億円減少しました、(さらに)特別区に移管しない事務を除くと、経済効果額マイナスになるんですよ。マイナス443億円です。10年間でマイナス4430億円です。だからちゃんともう一度、やった方がいいんじゃないですか? 事業者に28年度決算の数字を使ってもう一回やり直させてください。そしてもう一つ、水道とか大学とかいろんな府の方に入っているもの、これを全国の数値からピックアップして除いて、そしてこっちも除いて、やり直してください。そしたらちゃんとした数字が出ますから。おそらく経済効果は無くなります。そのベースで報告書を検討したと思いますが、どうですか?
副首都推進局 田中理事 繰り返しになりますけれども、業務委託としては一旦、経済効果報告書が出ております。ただこの間、経済報告書を巡りまして様々な議論が指摘されているところでありますので、そういった議論も含めて全体的な判断がなされるのではないかと考えているところでございます。
前田議員 業務委託の契約期間が終わったのは、それはいいんです。(大阪市が内容を)チェックしてるならいいんですが、チェックできていないから申し上げているんです。事業者(嘉悦学園)に対して、申し訳ないけれども、期間過ぎたけれども、市の方でチェックできてないし、議会でも指摘があったから、決算の数字を渡すので、一回やり直して下さい、と是非お願いしたいと思います。

黒田當士議員 去る11月16日に副首都推進本部会議が開催されました。その際に(大阪都構想の)経済効果の報告書につきまして、受託事業者である嘉悦学園から説明を受けたということでありますが、そもそもこの報告書は7月に大阪市がその責任において既に公表してホームページに掲載しているものであり、当然、その内容はすべてについて大阪市が責任を、また説明責任も含めて果たすべきものであります。そのために本委員会や府議会においてはフルオープンで議論してきた、まさに審議してきた経過があります。しかしながら、市長や副首都推進局の皆さんは「経済効果は発現する」とは言いながら、「行政として保証する性質のものではない」とかそういった責任逃れの答弁や、「分からない」と言った無責任な答弁に終始してこられました。もはやまともな審議はできない状況になっているのが現状です。
 このような中、一方的に受託事業者から説明を聞く場を設ける(副首都推進本部会議)からと言われても、行政が自らの説明責任を放棄してこのような場の設定をすることは全く意味がないものであって、我が会派としては行政の責任放棄に加担するつもりはなくて、出席しない判断に至ったものであります。もとより副首都推進本部会議は、また副首都推進本部自体が議会の議決を経て設置されたものではありません。副首都推進本部設置要綱に基づいて行政の内部の会議に過ぎない、言い換えれば知事、市長の私的サロンと言っても過言ではない、そういったものであります。経済効果につきましては既に府、市の議会の場でフルオープンで議論されておりまして、わざわざ改めて副首都推進本部会議という場、我々も1回も招かれたことがないようなそういった場で議論する必然性はありません。議会の場で議論を尽くすのが本来の姿であって、議会での説明責任を放棄しながら行う知事と市長のパフォーマンスに付き合う気は全くありません。
 そもそも本報告書で示された経済効果は一受託事業者の嘉悦学園が示した一つの考えに過ぎず、受託者が当該結果に対して行政責任を負うものではありません。行政がこの報告書を認知して初めて意味を持つものですが、既に履行確認を終えて1000万円のお金についても支出している以上、行政として認知したとみるのが当然です。行政が報告書の内容について100%の責任を負うべきものであると確信しています。そのためには引用論文や算出手法が客観的な根拠に基づくものであるのか、あるいは特定の考え方に偏ったものではないのか、そういったすべてについて自ら納得されて説明し切るのが当然であります。しかしながら、この間、市長は「どう評価するかはそれぞれの政治家がやればいい」とか「最後、評価するのは市民だと思う」そういった意味の発言をされております。市長は行政の長であって傍観者ではないんです。誠に残念で遺憾に思います。特に税金を使うにあたりましては、公平、中立な立場でなくてはなりません。市民は行政が公表する資料は適正であると信じていらっしゃいます。その市民の信頼を裏切ることがないのか、議会としては行政の説明について徹底的に検証、審議を行うことが当然の責務であると考えております。
(若干省略)
 市長におうかがいします。受託事業者(嘉悦学園)の説明についてどのように理解されたのかお伺いします。
吉村市長 まず、今回の受託事業者の説明にもありましたけれども、今回の調査報告書が全市町村のデータの活用による統計学的に非常に有為なサンプルの確保であったり、複数の仮定による幅を持った一般的な手法による分析、つまり全体を通じて恣意性を限りなく排除して客観的なデータに基づいて算出したものであると強く印象を受けたところです。中身ですけれども、財政効率化効果の試算については個々の事業がどうかということではなくて、制度を変えることで住民サービスの最適化を図ることができると、そのことによる効果が統計学的に基づく数字として示されたと認識しています。特別区への制度改革により年1000億円の効果が中長期的に生み出される可能性が高いということが専門的知見に基づいて客観的に示されたものだろうと認識しています。大都市の機能向上を図ることができれば、報告書に示された数字による経済効果以外にも、民間資本へのグラビティ効果、引き付け効果がより大きく発現する可能性が期待できるという説明も受けて、僕自身も市政を執行するうえでそうだなと認識しています。
※吉村市長への質疑の部分のみ掲載

<公明党>
山田正和議員 (嘉悦学園作成の大阪都構想の経済効果に関する)報告書は自治体の人口規模が約50万人になれば1人当たりの歳出が小さくなり、中長期的には財政の効率化が図られるというふうにしていますけれども、大阪市の住民サービスの内容と水準を維持したままで、自治体の規模を小さくするだけで本当に財政効率化が図られるんでしょうか。普通に考えると、スケールデメリットが働いて財政は非効率の方になるんじゃないかと思います。また、特別区素案でも実際、職員数は300人余り増えております。この報告書は素案をもとにしているということなので、素案の考え方は非常に重要になってまいります。特別区素案の考え方は、特別区長は特別区設置時点だけでなく中長期的な将来においても内容や水準を維持するよう努めるものとされているのか、それとも特別区素案は設置時点のサービスがどうなるかということだけを記載しているだけで、中長期的な将来においては内容や水準を維持するよう努めるとはされていないのか、お答えいただけますか。
副首都推進局 中野泰也課長(事務事業担当) 今後、素案にございます事務の承継方針が(特別区設置)協定書に記載されました場合は、法令の規定に基づきまして府市両議会の議決、住民投票という手続きを経ましてこの方針も確定されることになります。協定書をもってただちに特別区長を拘束するものではございませんが、特別区設置後の住民サービスの内容や水準につきましては今申し上げました協定書の作成手続きを経て決定されるために、適切に事務が特別区に承継されるものと考えてございます。
山田議員 現在市民の方が大阪市から受けているサービスは1人ひとり異なっております。高齢者の方、子育て世代の方、障害を持った方などそれぞれ異なるサービスを受けておられます。素案記載の「内容や水準を維持するよう努める」という文言を見ると、それぞれ自分が受けているサービスが特別区が設置された後でも享受できると思われると思います。一方で、特別区になれば独立した自治体が四つできます。各特別区は公選で選ばれた区長の下、民意を反映しながら独自の施策や事業を実施することになります。そうなれば当然、重点施策をどこに置くかによって内容や質も変わってきます。特別区に移行するということはまさにこういうことでありまして、それぞれの特別区が別々の道を歩んでいくことになります。しかし素案では、特別区になっても大阪市が実施してきた特色ある住民サービスの内容や水準を維持するよう努めると記載をされてます。これを見ると矛盾しているようにも感じるんです。そこで特別区素案の文言が何を意味するのか確認したいと思います。まず、設置時点において市民1人1人で見た場合でも、特別区に属しても現在受けているサービスは維持されるのか。それとも市民1人1人で見た場合、特別区によっては現在、大阪市から受けているサービスは受けられなくなるけども、反面、他のサービスが充実されるということになるのか、お答えいただけますか。
副首都推進局 中野課長 素案で示した事務の承継の方針は、特別区設置時点における考え方を示しているものでございまして、各特別区においてこれまで大阪市が実施してまいりました住民サービスを低下させないよう適切に事務を引き継ぐものでございます。
山田議員 設置時点における考えたということでした。次に設置後の中長期的な将来について確認します。一例を挙げてみると、ある特別区において、そこは子育て世帯が多いと、またどんどん子育て世帯を呼び込みたいということで、特別区長が「うちは子育て施策に重点を置く」というのは十分考えられることです。その場合、二つの選択肢があると思います。子育て施策以外の施策によるサービスの内容、水準は維持しながら、子育て施策のサービスの内容、水準だけを向上させる。この場合は特別区の財政規模が大きくなると。もう一方、子育て施策のサービスの内容、水準は向上させ、それ以外の施策のサービスの内容、水準は下げますという、この二つがあると思います。特別区素案はどちらの考えに立っているのか、どちらでもないのか?
副首都推進局 中野課長 特別区制度は公選の特別区長が、住民の身近なところで地域の実情やニーズに応じてきめ細かく施策を決定していくニア・イズ・ベターの実現を目指すものでございます。特別区においてどのように施策展開が図られるかとのことでございますが、それぞれの特別区長のマネジメントの下、住民サービスの向上につながるよう地域の状況やニーズを踏まえ区議会とも議論しながら最適な行政の実現に向けて取り組まれるものと考えてございます。
山田議員 ちょっと良く分からないんですけど。住民1人1人に対するサービスが向上していくと、自治体の財政がたちまちパンクしてしまう。
(若干省略)
 先日の副首都推進本部会議のこの経済効果の説明会において、受託事業者(嘉悦学園)の発言を紹介しますと、「それぞれの特別区においてそれぞれの特別区の事情に合わせて、この特別区はこういう方々が住んでおられるから、よりこういうところはしっかり押していく、あるいはこういうところは少し補助金等々を削減していく。あるいは別の区ではここに力を入れていくというような濃淡が出てきて、それが結果として住民満足度が高まるということになろうかと思います」という発言や、「特別区ができました後に、それぞれの議会や首長の中で様々な議論がなされて、それがより住民に近い議会であり首長ですので、それぞれの特別区の住民の特性を考慮しながらさらにサービスが選択されていく。これはうちの特別区では不要ではないか、ここはもうちょっと強化した方がいいのではないか、そういう差し引きの中で、結果としてより効率的な部分が生まれていく」、こういった発言がありました。この発言を前提にすると、この報告書は現在の大阪市から受けているサービスが特別区になってもそのまま維持されるというわけじゃなくって、特別区長の施策の選択によって現在のサービスよりも上がる人もいれば、下がる人もいるということを前提にしている報告書だと理解してよろしいでしょうか?
副首都推進局 橋本課長 財政効率化効果について事業者からは2段階で効果が発現されることの説明がありました。第1段階としては同じサービス事業をより効率的にできるということでの効果、第2段階として同一費用でより住民満足度が高まるようにサービスが選択されていくことで効果が発現していくというものであり、効率化効果の発現のプロセスについてより詳しく説明いただいたと考えています。個々の施策ではなく、総体的な話として第1段階は同じ住民サービスを行ううえで適正な規模で事務を行うことによる効率化が図れるということを事業者として示されたものと理解しております。第2段階は特別区設置によるニア・イズ・ベターの実現の効果としまして、住民ニーズによりきめ細かく対応することが可能になり、それにより地域の状況や住民ニーズを踏まえたサービスの最適化が図られるということを事業者として示されたと理解しております。特別区が設置された後は、各特別区において選挙で選ばれた区長と区議会の下、地域の実情や住民ニーズを踏まえたサービスの最適化が図られることとなると理解しています。
山田議員 普通に考えると自治体を分割するとスケールデメリットが働くんですよ。職員が増えるんですから。事業者の言う第1段階の同じ住民サービスを行ううえで大阪市を分割して事務を行うことによる効率化が図られるというのは、具体例ないですか? 具体的にどういうことを指しているのか、例があれば教えていただければと思います。
副首都推進局 阪田部長 特別区の設置によりまして人口270万人から最適人口規模に近づくことにより、個別の事業がどうかということではございませんで、より住民ニーズ、地域の状況を踏まえた施策選択ができるようになり、サービスの最適化が図られその効果が統計学に基づく数字として示されたものと認識しています。
山田議員 ほんならもう1点だけ聞きます。何辺もキーワードで出てきます「サービスの最適化」とは何なんでしょうか。無駄をはぶくということなのか、サービスが上下することをサービスの最適化と言うんでしょうか?
副首都推進局 阪田部長 先ほど市長からの答弁もあったんですけど、特別区制度は公選の特別区長が住民に身近なところで地域の実情やニーズに応じてきめ細かく施策を決定していくニア・イズ・ベターの実現を目指すものです。人口270万人から最適人口規模に近づく特別区が設置された後は、ニア・イズ・ベターの実現により特別区ごとに住民ニーズ、地域の状況を踏まえた施策選択ができる環境が整うことになるため、それぞれの特別区長のマネジメントの下、区議会とも議論しながら住民サービスの向上に取り組むことでサービスの最適化が図られると考えております。
山田議員 (住民サービスは)取捨選択されると、そういった方向に行くということなんですけども、次、この前の副首都推進本部会議で受託事業者(嘉悦学園)はこういうこともおっしゃってます。「全体的に一律な本当はいらない人に対してもそういう財政需要があると勝手に認識して財政をつけていくということになってしまいます」という発言がありました。これが特別区になればこうした部分が効率化されて、財政効率化効果額が生み出されるような趣旨の説明もされていたと思います。この報告書はいわゆるU字理論をもとに、大阪市の歳出額と理論値の差額を比較して効果額を算出しています。すなわちこの報告書は今の大阪市、それと大都市制度導入後の特別区がU字カーブに当てはまるという前提で作成されているんじゃないんですか? そうすると、この事業者の発言、報告書の内容からすると、現在の大阪市の予算編成には無駄があるんで、政令指定都市大阪市を廃止して四つの特別区に分割すると最適化が図られ効率化される、そして現在の大阪市の予算編成における無駄を寄せ集めて年間1000億円の効果額が生まれてくるという考え方がベースになっていると思いますがいかがですか?
副首都推進局 阪田部長 事業者の発言ですけども、U字型の右肩上がりの部分の要因について記者の質問に対して学術的に言われている混雑効果と言われている現象について説明したものでございます。特別区の設置により人口270万人から最適人口規模に近づくことにより、個別の事業がどうかということではなく、より住民ニーズ、地域の状況を踏まえた施策選択ができるようになり、サービスの適性化が図られその効果が統計学に基づく数字として示されたものと認識しており、単純にサービスが削減されるものではないと理解しています。
山田議員 あくまで統計学に基づく数字でサービスが削減されるものではないと言われますけれど、この発言見てみると、やはり何か削減して生まれる効果があるというふうにしか見えないんです。こういった発言もありました。「市内全部の小学校に例えば剣道場みたいなものを作りますと、剣道をやってる小学校は有効に使えますが、剣道をやらない小学校は使わないとか、何かそういうものがあるんだろうと思うんです。一律にサービスを提供することで生まれてくる非効率性というものがあって、それがなくても住民サービスの水準あるいは住民満足度は変わってこないというのがあると思いますので、そういうことで効率化というのは生まれてくるんだろうと思います」という発言がありました。大阪市そうなんでしょうか? 
(若干省略)
 本当はいらない人にも財政を付ける? 大阪市はそんな予算編成を行っているんですか?
東山潔財政局長 大阪市の財政状況についてはまだまだ厳しいという状況でございますが、そうした中で予算編成にあたりましては、施策の選択と集中でございますとか優先順位の選択でありますとか、必要なところに必要なことを効率的、効果的に施策を実施するということを全市をあげて取り組んでいただいているところでございますので、そういったことはこれまでもやっておりますし、これからも続けていく必要があろうと財政局としては考えております。
山田議員 財政局長おっしゃる通り無駄な予算編成してるわけやないんですよ。真に必要とされる事業や施策に絞り込んで限られた財源を有効に割り当ててます。だけどもこの事業者は、大阪市の規模が大きいため施策選択が非効率となっていて、あたかも無駄なところに予算を割り当てているかのごとく、そしてこの非効率となっている施策や事業を削った予算を積み重ねれば財政効率化効果額として現れるかのような説明をされてたと感じました。そもそもそんな非効率な選択がされているはずもなく、この報告書に記載しているように大阪市を廃止して小さな自治体の特別区に変えるだけで年間1000億円が生まれるということはあり得ないはずであると思います。実態は新たな特別区長の下で行財政改革を行って、財源を生み出すということであります。松井知事は7月11日の定例記者会見で記者の「今回の財政効率化効果が10年間で1兆1000億円、3年前の住民投票の時は17年間で2700億円。1年当たりにすると5倍以上になっている。ここまで違う数字が出てくると数字の信ぴょう性に疑問がわくと思うんですけど」という質問に、こう答えています。「前の効果というのは結局、節約効果の話。都構想効果というのはそういうものじゃなくて意思決定の速さによって経済成長していくとか、そういうものを専門家に出してもらいたかったが、前回は出なかった。今回はそういう本来の、要は広域行政が一元化になった時の経済効果というものが一般的な試算方法によって、学者の皆さんによって現れた」と答えておられました。しかし、これまでの質疑によりまして、報告書に記載されている効果額は知事が言うような広域行政の一元化によって新たに生み出される効果ではなく、いわゆる市民サービス削減の寄せ集め、行財政改革に他ならないということが良く分かりました。市民サービスを削減して10年間で合計1兆円の財政効率化効果額が得られるということは、1兆円÷270万人で計算すると、市民1人当たり約37万円のサービスが削減されることを予言した報告書であることが分かったような気がします。
 広域一元化で新たに生み出す効果だと言うならば、年間1000億円出るならば、財政調整財源を使わずに全部広域は大阪府で持ちます、その分、特別区はサービスアップするんですよ、というぐらいでないと、この効果額は何の信用できないと思います。そういう意味において、この報告書を見ても特別区を設置するメリットはないというのが明らかになりました。本報告書は本来、取り下げられるべきものでありますけれども、少なくとも市民をミスリードすることがないように、10年間で1兆円というのは新たに経済効果が発現するというものではなく、市民1人1人に対するサービスの削減、すなわち市民1人1人の痛みの積み重ねであるということを説明するべきであると申し上げます。

<共産党>
山中智子議員 去年の8月22日、この大都市・税財政制度特別委員会で総合区素案の説明をうかがってから13回の回数を重ねてきました。今日で14回目の大都市・税財政制度特別委員会です。法定協議会でも16回議論を重ねてきました。もう反対多数が、都構想については反対意見が多数を占めていることは議事録を見るまでもなく、今日の議論を見ていてもはっきりしていると思います。都構想についてはまさに百害あって一利なしということでほぼ合意済み、決着済みということではないでしょうか。
副首都推進局 水野英明課長(制度企画担当) 東京一極集中が進む中で大阪の経済は長期にわたって低落傾向が続いております。また人口減少、超高齢社会は三大都市圏の中でもいち早く到来の見込みです。府と市で一本化した成長戦略の推進などにより経済面は明るい兆しが見えるものの今も一極集中に歯止めをかけるには至っておりません。これら大都市大阪が抱える課題を解決するためには、都市機能の充実とそれを支える制度が必要であり、広域機能の強化や基礎自治機能の充実の取り組みを制度面から推進するため、副首都にふさわしい大都市制度として現行法制度で実現可能な総合区と特別区について検討を進めているところでございます。
山中議員 お題目と言わせていただきたい同じご答弁の繰り返しですけれども、この間の議論で多数がそれを否定していると申し上げているわけです。広域の一元化、広域機能の強化とおっしゃっても大阪市が行ってきた428の事業を府に持って行くだけ、付け替えるだけ。特別区はコストがかかり過ぎてマイナスでしかない、基礎自治機能の充実どころか住民サービスを切り捨てざるを得ない。多数がこういう認識で一致しているわけです。何と言っても容認できないことは明治22年以来の大阪市をつぶしてその財源、権限を府に取り上げるということです。戦後、積み重ねてきた地方自治の尊重、大都市の権限強化等に真っ向から背くものだと言わざるを得ないと思います。
 政令市は今や20市に及んでいます。昭和31年の5大都市に始まって、昭和の終わりまでに5市が加わって、平成になってから仙台、千葉、埼玉と続いて、最近新しくは平成21年の岡山、22年の相模原、24年の熊本と20市になったわけです。それなりの人口規模を持っているところは、権限、財源を身近なところで発揮できる政令市を目指したいということで歩んできたわけです。そして今、姫路市が、人口53万人の中核市ですが、政令市を目指していると言われていますし、東京の八王子市も人口56万人で2015年に中核市になった、市長は「引き続き政令市を目指す」というふうに言っていると言われています。大阪もそうですけれども、神奈川、静岡、福岡は県内に複数の政令指定都市があります。全国に20市ある、そして複数ある県が四つもある。でもこれが二重行政だとかなんだとかっていろいろ言っているのは大阪だけで、他はいずれも府県とも基礎自治体、つまり政令市にできる限り権限、財源を移すという大原則、方向性の下で共存共栄、折り合ってやっている、これが時代の流れです。政令市をつぶして府に集権化する、まさに時代に逆行ではないでしょうか。
副首都推進局 水野課長 繰り返しのご答弁となりますが、大阪が東西2極の1極として日本の成長エンジンの役割を果たす副首都大阪を目指しており、経済の低落傾向や人口減少社会への対応など、大阪が抱える課題の解決には都市機能の充実とそれを支える制度が必要となりますが、現状のままでの取り組みには限界があることを特別区素案でお示ししております。このため特別区素案では、大阪府に広域機能を一元化し、副首都大阪の都市機能の向上を強力に進め、大阪の成長を実現すること、また基礎自治機能を充実し、成長の果実をもとにした豊かな住民生活を実現することを目指す制度設計としています。広域機能の一元化の意義、効果として、司令塔機能を一本化、二重行政を制度的に解消し、大阪府は広域的な視点の下、大阪の成長、発展、圏域の安全、安心に関する取り組みを迅速、強力かつ効果的に進めることができることになると素案ではお示ししたところでございます。
山中議員 まさに繰り返しですけれども、司令塔機能を一本化しても、何度も申し上げてきました、大阪市の持つ権限をただ(府に)移管するだけで、予算も権限も何も増えるわけではありません。何の意味もないと何度も申し上げてきた通りですし、特別区に至っては予算が減らされるのに、どうして豊かな住民生活が実現できるのかということを縷々申しあげているのに、それにまともに全然、お答えになっていません。空疎なご答弁は止めていただきたいと思います。いずれにしても政令市をつぶそうなんてことで、こんなに時間、エネルギー、税金をかけているのは大阪だけだと申し上げたいと思います。
 この12月6日に内閣官房の地域魅力創造有識者会議が報告書を出しました。この有識者会議はまさに副首都推進局がいつもおっしゃる東京一極集中の新たな是正策を検討していたわけですけれども、結局、こういう報告書を出したわけです。「東京圏以外の政令指定都市や中核市などから地域経済を支える拠点となる中枢中核都市を選び、機能強化のため財政、人材両面で支援することを柱とする。そして年内にも候補となる約80市を明らかにする」。と、こういうことです。つまり、「東京圏への人口流出を防ぎ、周辺自治体も含めた圏域全体の活力を維持するために基礎自治体である都市の機能を強化する」ということです。政令市をつぶしてしまおうという都構想と真逆だとは思いますが、副首都推進局はどうお考えでしょうか。
副首都推進局 水野課長 地域魅力創造有識者の報告書について、まち、人、仕事、創生本部ホームページや各種報道等により承知しておりますが、東京一極集中の是正を課題ととらえ報告書が取りまとめられたものと考えております。
山中議員 つまりね、東京一極集中の是正が課題であっても、実際にやろうとしていること、考えていることは、皆さん方と全く反対のことだということです。それで、思い起こしますのは、東京の小池知事はさかんに東京をさらに発展させて日本全体の成長エンジンにして、日本経済を牽引すると繰り返しおっしゃっています。東京の立場になればそういうことになるのかなと思いますけれども、東京が稼いで全国を引っ張るなんてことは多くの人が違和感を感じると思うわけですよ。副首都推進局も都構想で東西2極の1極を担って日本全体の成長エンジンになると、こういうふうにおっしゃっているわけです。副首都推進局のこのおっしゃりようは一種、東京都知事の論理とも通じるものがあると思ったりします。いずれにしても日本全体の成長エンジンになるという発想自体、おかしな考えだと思いますけれどもいかがですか。
副首都推進局 水野課長 我が国は戦後の高度成長期から今日まで一貫して東京一極集中が進んでいます。世界的な都市間競争の時代の中で低迷が続く日本全体の成長力を高めるためには、東京一極集中に頼るのではなく、国全体の成長を牽引する国際競争力を持つ拠点都市を複数創出することが望まれます。さらに災害リスクを抱える我が国において、東京一極集中は大きなリスク要因であり、日本を支える拠点都市を戦略的に確立することが必要となります。加えて、地域の自己決定、自己責任に基づく分権型の仕組みへの転換を先導する都市を作ることが、将来にわたって我が国が活力を維持し、発展していくことにつながります。こうした副首都の基本的な考え方を副首都ビジョンにおいて示しており、副首都大阪の確立を制度面で支える新たな大都市制度として総合区制度、特別区制度の検討を進めているところでございます。
山中議員 分権型の仕組みへの転換ってどの口がおっしゃるんですかと申し上げたいです。だって、政令市大阪市を廃止して特別区にして、権限、財源を府に持っていく、これは大阪市から府への集権が都構想の本質だと申し上げたいです。それと、日本全体の成長だとかリスク管理を考えた時に、拠点都市複数がいいと。だったらなぜ東西2極ってなるのか本当に不思議です。東西2極なんてことではなくて、中部圏も北海道も東北も四国も九州もと、そういう意味では4極も5極も6極も必要だと思います。もちろん大阪が成長を図るのは肝要だと思います。そういう意味で、この有識者会議の報告は府県単位で2個程度の核となる都市が必要だとしている点で、地方創生ということですべて頷けるわけではありませんが、一定理解することができると思います。いずれにしてもこの有識者会議の発想していることは、皆さん方も考えないといけないことは、基礎自治体である都市を地域の核として機能強化を図ることであって、府県への集権化などではないと思いますけれども、そうじゃありませんか?
副首都推進局 水野課長 地方、地域の活性化の取り組みを進めていくことは重要なことだと考えています。一方、大阪においては狭隘な府域の中心に大阪市が存在するという地理的な特徴があり、大阪市を中心に都市が発展してきたところでございます。人口や事業所といった都市の集積が大阪市域を超えてほぼ府域全体に広がる中で、かつては政令市の大阪市は市域内、大阪府は市域外という権限を踏まえた役割分担が固定化し、府と市がそれぞれの考え方に基づいて広域行政に取り組んだ結果、相乗効果を発揮できず大阪の強みを充分、生かせなかったところでございます。現在では知事と市長が各部局間の協議、連絡が進み、戦略の一本化や二重行政の解消が一定進んでおりますが、これを安定的なものとするため広域機能を大阪府に一元化するとともに、住民に身近な公選区長、区議会による基礎自治機能の充実を図ることができる仕組みとして特別区制度の検討を進めているところでございます。
山中議員 全くいつもの空疎なご答弁だと申し上げます。私たちはこれまで都構想と大阪の成長とは関係ないと幾度も申し上げてきました。今、大阪の成長という点を巡って焦点となっているのは、大きくは万博でありIR、カジノだと思います。知事、市長は万博やIR、カジノで大阪の経済を良くするとおっしゃっています。私たちは半年間の万博で大阪の経済が活性化するのかどうか甚だ疑問だと思いますけれども、決まった以上はやらざるを得ないわけで、財政難の折からできるだけ簡素なものにすべきだと申し上げています。一方で、IR、カジノについては私たちはこれは全く論外だと考えています。カジノは大阪を中心とした日本人がターゲットです。カジノで摩って大損するのは大阪周辺の一般市民なので大阪経済にとってはマイナスでしかないと、これは私たちの考え方です。市長はこれで大阪の経済を良くするとおっしゃっている。事ほど左様に目下の論点は、大阪市をつぶして財源、権限を府に取り上げるという大都市制度の大改悪うんぬんという次元のことではなくて、大阪の経済を良くするためにカジノを持って来るのがいいのか悪いのか、どうすれば大阪の経済が良くなるかということだと思います。つまるところ、今すべきことは、不毛な制度いじりに時間をかけることではなくて、まさに政策の中身、政策選択の問題ではないかと思いますが、市長いかがですか?
吉村市長 万博は半年間のことだとおっしゃいましたけれど、万博誘致が決まった瞬間に大阪の万博に関連するような企業の株価が急に上がるというような状況、これから7年間、万博に向かって様々な経済が動き出すと思います。これが経済の実態だと思います。万博、大阪の目標が新たに出来て、それに向いてみんな上向きで進めて、現に実態経済にも現れて、まあ、あのー、もちろん万博の理念、そういうのは非常に重要ですけれども、議員(山中議員)が経済的なことを指摘されるんであれば、これは大きな大阪の経済に寄与するものだと、そういった側面があるというふうに認識をしています。それからまあ、IRについてはこれはやはり、国際的な観光拠点になると思ってますし、それから世界的なエンターテインメントを是非、大阪に誘致したいと思っているし、国際会議場、展示というのもさらに強化されるだろうと思っているし、経済効果等の数字は年間6000億円、7000億円と出てますけれども、IRが大阪の経済に寄与するのは間違いないと思っています。いずれにしても、万博もIRも大阪の非常に重要なことだと思ってますし、これをより良いものにしていきたいと思っています。
 それから議員(山中議員)の政策選択、なぜ二者択一になるのか分からないところもあるんですけれども、ただ議員の論によるとしても、政策選択の幅を広げていく、可能性を広げていく、政策の意思決定の速度を高めていく、そしてその実行する組織をどうするのか、要は絵空事で言ってるだけではあきませんから、実行していくうえで、要は大阪の全体の成長の政策の幅を広げるという意味でも広域機能は強化していくべきだと思います。バラバラにやるんじゃなくて一元化を図っていくべきだと思ってます。いずれにしてもどういった政策を実現していくのかということと合わせて、その政策を実行する意思決定の仕組みのあり方、これは密接に関連しているものであって、その後者の部分、今までなかなかできてこなかった部分を大都市制度改革で実現させたいと思っています。
山中議員 何度も言いますが、IR、カジノのカモにされるのは大阪周辺の一般市民ですから、大阪の成長の起爆剤などにはならないと思います。政策の中身の良し悪しが私どもと市長とでは真っ向から違うわけで、制度のあれこれではないと申し上げているんです。制度について言えば、これまでの議論を通じて市長の考えに反対の意見が多数だということは市長も十分、お感じになっていると思います。これ以上、議論するのは本当に時間の無駄です。いい加減、都構想、特別区設置の制度いじりの議論は打ち切りにするべきだと申し上げておきます。
 ところが、この決着済みの住民投票をこの秋にすると以前はずーっとおっしゃってて、これが出来なくなると5月に実施するとおっしゃって予定変更して、それもだめになると何と今度は参院選挙と同時投票なんて言い出しました。どこまで市民を振り回すつもりかと思うのですが、万博誘致が決まったことで少し強気になっているんではないかとする観測も一部にあります。ロシアやアゼルバイジャンに勝てたのは、府と市が同じ方向を向いているからだということをさかんにおっしゃっているのは承知しています。でも一方で、言うにことかいて「2008年オリンピック招致に失敗したのは、大阪市だけが取り組んだからだ。大阪府は知らんぷりしていた」というそういう発言をあちこちでなさってますが、これは市長の発言としてはいかがなものかと思います。私たちはオリンピック招致についても、あれは夢洲をまさに負の遺産にしてしまいかねない巨大開発につながるからということで、夢洲は処分場として丁寧に使うべきだとオリンピック招致も反対しました。でも、あれを大阪府が知らんぷりしてたから惨敗したんだと、この市長のおっしゃり方は市長という立場でいかがなものかと思います。
 大阪市のオリンピック競技大会招致活動報告書を読ませていただきました。それによりますと、決して府は市長のおっしゃるように知らん顔どころではありません。招致委員会の特別顧問に知事がなっておられる、副会長に府会議長が就かれるとともに、招致委員会事務局には事務局次長、総務部副部長、広報担当部長、同副部長、国際報道課長として5人の職員が府から派遣されてきていました。費用の面でも、招致活動経費全体のおおむね5分の1ですね、市と府と経済界が2対1対2ということで府が5分の1を負担したうえに、職員募金にも取り組んでもらったと記されています。また2001年2月から3月にかけてのIOC評価委員会の来阪の時には、2月26日の歓迎の行事や28日のウエルカムレセプションには太田知事が出席していますし、7月13日から16日のモスクワのIOC総会にも太田知事が出席しています。招致委員会の名簿全部載ってますが、参与としてまず府会議員の皆さんの名前がずっと出てきます。共産党以外です。それから市会議員の名前が出て、副知事が先にあって助役があるということで、府がいろんな形で力を尽くしてくださってことはこれを読ませてもらっても分かります。2008年オリンピックは大阪市だけでやって惨敗した、大阪府は知らんふりしていた、ああいう結果だとは言え、それぞれの立場でご尽力されたすべての方たちに対して失礼千万だと思います。市長、これ取り消すべきではありませんか?
吉村市長 大阪府と大阪市が一体になって活動するというのは、今回、大阪万博でやりましたけれど、共同の組織を作って活動の中身も完全に府市が一体になってやって、責任も一緒にとって進めていくということだろうと思います。大阪オリンピックの誘致については、僕は今でも(府は)知らんぷりだと思っています。当時のオリンピック、これは大阪市が一生懸命やっていた、磯村市長はテレビにも出てました。市の職員からいろいろ話は聞きます。当時、実務をやっていたメンバーが局長とか上のレベルに上がってきている職員もいます。大阪市が主導してやってきたけけど、大阪府が本気になって、今回の万博みたいにそこまで一緒に本気になってやっていたと僕は評価していません。
山中議員 オリンピックというのはオリンピック憲章にも書いてありますが、都市が主催するものですよね。都市が成功に責任を持つというものでしょ。万博は国じゃないですか。今度の万博と前のオリンピックとこんなに違うってその比べ方自体が本当におかしいし、そんなことをご存知ないとしたら驚くべきことですし、ご存知の上で市民に対してそういうことをおっしゃってるとしたら市長として無責任極まりないミスリードだと申し上げたいと思います。オリンピック誘致では府も国も経済界も協力したわけですけれども、何と言っても北京という強敵がいたことが大きかったと思います。今度の万博の場合はフランスが立候補を取り下げたことが大きく作用したというふうにも言われています。
 いずれにしても、万博誘致の成功と都構想を結びつける、しかもそのために比較にならないオリンピックのことを持ち出しておっしゃるのは筋違いだというものです。むしろ誘致活動を見る限り、パリには知事は単独で2回、市長単独で2回、2人一緒に3回訪問しているうえに、その他の国には、経産省や外務省の依頼もあってですけれど、知事がカザフスタンなど6か国、副知事がチュニジアなど4か国、市長が南アフリカなど4か国5回、副市長がカリブ海のセントルシアなど2か国、精力的に出かけておられます。これは大阪府と政令指定都市大阪市が両方あったということが大いにプラスしたとはお思いになりませんか?
吉村市長 大阪市と大阪府が両方あって、かつ同じ方向を向いて一緒に責任を持って行動すること、この部分が大事だと思います。これまでの大阪府、大阪市の広域行政について見れば、この後者の部分があまりにも弱かったし、それぞれの縄張り争い、権限争いをずーっとやってきました。オリンピックも大阪市は本当に一生懸命やってましたけれど、ダメだった時のシーンは全員の頭に強烈に残ってますけども、大阪府はどれだけやったのか、そこはまだまだ不十分だし、今回のように大阪市、大阪府が一つになって同じ方向を向いて責任を持って組織も一緒になってやっていくことによって、非常に大きな力を発揮することができたと思っています。
山中議員 繰り返しますけれど、オリンピックと万博を比べることは本当に恥ずかしいっていうことは周りにも聞いていただきたいと思います。司令塔を一本化すると一つ覚えのように言われますけれど、万博は決まりましたから私たちは簡素なものにと申し上げていきますが、大阪の経済を悪くして市民の暮らしを壊すようなカジノを作るようではどうにもならない、制度ではなくて政策選択の中身が問題、その議論こそ重要だと申し上げているゆえんです。市長は大阪市をつぶすということがどれほどの地方自治の破壊になるのか、まるで分っていらっしゃらないと思います。大きなコストをかけて特別区を作っても半人前の自治体に過ぎないので、だからこそ東京23区はせめて一般市になりたいという声を上げているわけです。市長もご存じのように世論調査では都構想反対が多数です。この間の議論でこの場でもずっとそうです。多数が反対であることは誰の目にも明らかだと思います。もう終わりにすべきだと申し上げます。