2019年9月9日 大阪市都市計画審議会が開催。夢洲の中央部分の用途地域が準工業地域、工業地域から商業地域に変更される

 大阪市の都市計画審議会が9月9日、大阪市役所で開かれました。大阪湾岸の埋め立て地「夢洲」の用途地域を工業地域・準工業地域から商業地域に変更する審議があり、賛成多数で決定しました。商業地域となったのは中央部分の143㌶で、カジノなどのIR(統合型リゾート)の建設用地となり、2025年の万博会場ともなります。都計審の委員は計29人で、大阪市会議員14人、学識者15人で構成。この日、学識者7人は欠席しており、参加した委員からも質問や意見は何も出ませんでした。
 以下、議事録です。

澤木昌典会長(大阪大大学院工学研究科教授) 本日の議案は大阪市長より付議のありました「議 第238号 大阪都市計画用途地域の変更について」、「議 第239号 大阪都市計画特別用途地区の変更について」、「議 第240号 大阪都市計画防火地域及び準防火地域の変更について」、「議 第241号 大阪都市計画道路の変更について」、「議 第242号 大阪都市計画下水道の変更について」。これらは相互に関連しておりますので、その内容につきましては幹事から一括して報告していただきたいと思います。
寺本譲・都市計画局計画部長(幹事) 本日、ご説明させていただきます内容は、大阪市此花区の西部にある夢洲の国際観光拠点化に関する内容でございまして、平成29年度に定めました夢洲まちづくり構想に基づき、夢洲の都市計画を変更しようとするものです。
まず、夢洲の現状です。全体面積約390㌶の広大な土地で、埋め立てのエリアとして1区から4区に分かれております。土地利用が進んでいるところから順に説明させていただきますと、東側の4区は既にコンテナターミナルとして稼働しておりますほか、倉庫などの土地利用などが進んでおります。3区は東側半分につきましては、土地利用が可能な状況となっておりまして、うち中央部が既に分譲されております。3区の西側半分と2区は、公共事業の建設発生残土や大阪港の浚渫土砂により埋め立てを行っております。西側の1区は廃棄物の処分場として活用されているほか、夢洲メガソーラーが立地しておる状況です。
 交通インフラとしては、北側の舞洲方面への夢舞大橋、南側の咲洲方面への夢咲トンネルにて接続されておる状況でございまして、今後、2区、3区の一部を活用して国際観光拠点化を目指そうとするものでございます。
 夢洲の国際観光拠点化の経過でございますが、経済3団体、大阪府、大阪市により夢洲まちづくり構想検討会を平成26年10月に発足させまして、夢洲まちづくり構想案を策定し、平成29年4月から5月かけて大阪市においてパブリックコメントの手続きを経まして、同年8月に夢洲まちづくり構想を策定いたしました。この夢洲まちづくり構想におきましては、臨海部の目指すべき姿として、広大な用地が確保できる夢洲のポテンシャルを最大限に発揮できるまちづくりを目指すとともに、舞洲、咲洲などの臨海部の各エリアとの連携により、さらなる経済振興、都市魅力向上に資する拠点を目指すこととしておりまして、新たな国際観光拠点、国際物流拠点が両立するように適切なゾーニングと都市基盤等の整備を図ることといたしております。
 夢洲につきましては、国際観光拠点の位置づけの下、コンセプトをスマートリゾートシティとしておりまして、ジャパンエンターテイメントとして大阪、関西、日本観光の要となる独創性に富む国際エンターテイメントの拠点形成。ビジネスモデルショーケースといたしまして、新しいビジネスにつながる技術やノウハウを、世界第一級のマイス拠点を中心に、最先端技術の実証、実践の場としてショーケース化し、国内外に発信。アクティブライフクリーションとして、健康で活き活きとした生活をエンジョイできる革新的な技術などの創出、体験といった拠点形成のための基礎都市機能を持たせるものとしております。
 具体的な土地利用のゾーニングですが、夢洲のまちづくり構想のコンセプトなどを踏まえまして、東側(4区)は既に国際物流拠点として機能している物流ゾーン、産業物流ゾーン、中央部(2区、3区)は国際観光拠点の形成を図る観光産業ゾーンとし、西側(1区)は緑あふれるオープンスペースや親水空間を形成するグリーンテラスゾーンとしていくこととしております。
 次に都市基盤等の整備について説明します。道路につきましては、物流交通と観光交通の円滑性が確保できるように、北側の舞洲、南側の咲洲、西側に将来造成される新島にそれぞれつながります臨港道路と、国際観光拠点内の北側の護岸沿いにおきましては親水性の高い土地利用を図り、また中央部におきましては一つの大きな街区を形成するいわゆるスーパーブロックによる区画の形成を図ることができるように、観光外周道路を配置する計画としております。
 鉄道につきましては、北側の舞洲方面、南側の咲洲方面から鉄道を延伸しまして、夢洲の中央部に夢洲の新駅および駅前広場を設ける計画としております。
 下水道につきましては、汚水の処理施設として既に設備のありますコンテナターミナルを除き、公共下水道の排水区域に編入し、夢洲の北東部において此花処理場に送るための夢洲抽水所を配置することとしております。
 国際観光拠点は埋め立てによる土地造成などの基盤整備の進捗に合わせて(中央部2区、3区の)北側から順に早期に活用できる第1期、万博の開催区域の一部となる第2期、第3期と段階的に土地利用を進めることとしております。以上、夢洲まちづくり構想の概要です。
 今回、都市計画を定めようとする内容について説明させていただきます。まず、用途地域、特別区用途地区、防火地域および準防火地域につきましては基盤整備を進めている国際観光拠点の形成を図る第1期エリアと、万博の理念を継承したまちづくりを行い国際観光拠点の形成の強化を図る第2期エリアにつきまして、早期に土地利用を誘導できるように定めることとしております。
 次に道路につきましては、夢洲全体の開発を想定しまして道路の規模を定めることとしておりますが、万博会場の一部となります第2期エリアは万博の跡地利用を踏まえて道路の位置を定める必要がありますため今回、都市計画決定しとうとする道路につきましては、国際観光拠点の形成を図るエリアのうち第1期エリアのみを対象としております。
 下水道につきましては、道路と同様に夢洲全体の開発を想定して区域やポンプ場の施設規模を定めることとしており、既に浄化槽が整備されておりますコンテナターミナル部分を除いた全域を対象としております。
 それでは今回の議案について説明します。議第238号、大阪都市計画の用途地域の変更について説明します。今回、用途地域を変更しようとする区域(2区、3区部分)は、都心に近接して広大な用地が確保できる臨海部という立地特性を生かし、新たな国際観光拠点の形成を目指すべく用途地域の変更を行おうとするものです。内容としましては、現在の準工業地域、指定容積率200%、および、工業地域、指定容積率300%を、商業地域、指定容積率400%に変更する区域と、一部、区域外の整備に合わせまして、工業地域、指定容積率300%を、準工場地域、指定容積率200%に変更するものでございます。この結果、大阪市全域で商業地域が約143.3㌶増加し、準工業地域が約107.4㌶減少、工業地域が約35.9㌶減少します。
 次に、議第240号、防火地域、準防火地域の変更について説明します。用途地域の工業地域から商業地域への変更に伴い、(用途地域を変更する)35.9㌶の区域につきまして都市の不燃化の促進に適切に対応するため、準防火地域に指定?しようとするものです。これによりまして大阪市全域の準防火地域は約1万5900㌶となります。
 次に議第239号、特別用途地区の変更について説明します。特別用途地区は地区の特性にふさわしい土地利用の増進、または環境の保護等の特別の目的の実現を図るために用途地域の指定を補完して定める地区でございまして、指定されている用途地域の規制に加えて建築物の用途にかかる規制または緩和を行うものです。今回、用途地域の変更で、商業地域に変更する区域におきまして、国際観光拠点になじまないと考えられる幼稚園や小、中、高の学校、性風俗等の施設の立地を制限するため、特別用途地区、国際観光地区を指定します。これにより、本市の特別用途地区は工業保全地区、夢洲地区が35.9㌶減少しまして、国際観光地区約143㌶を新たに指定することになります。
 続きまして議第241号、都市計画道路の変更について説明します。都市計画道路は環状道路を形成する3路線を追加します。まず、国際観光拠点の物流ゾーンとの境界に延長約520㍍、8車線、幅員34㍍とする夢洲中央線を配置します。この夢洲中央線には夢洲の新駅との交通結節点となります夢洲駅前広場、面積約1万平方㍍を設置いたします。次にこの夢洲中央線の北端を起点とし、東西方向としては親水空間の形成を図るために夢洲の北岸から●●(?)を確保しつつ、南北方向では西側のグリーンテラスゾーンの境界部分を通る延長1240㍍、6車線、幅員30㍍とする夢洲環状1号線を配置します。次に夢洲中央線と夢洲1号線を東西に結び、第1期エリアのスーパーブロックの形成を図ることができるように、延長約810㍍、6車線、幅員30㍍の夢洲環状2号線を配置します。構造形式は3路線とも地表式、いわゆる平面の道路です。これにより、夢洲における国際観光拠点の骨格を形成するとともに、観光拠点内の円滑な交通機能の確保をしようとするものです。
続きまして議第242号、下水道の変更について説明します。国際観光拠点の形成を目指すに当たり、夢洲の一部を新たに此花処理区公共下水道の排水区域に編入しようとするものです。排水区域については夢洲で発生する汚水を処理するために、既に浄化槽が設置されているコンテナターミナルを除く夢洲地区約306㌶を追加し、排水区域面積は約1387㌶となります。汚水を此花処理場に送るため、夢洲北東部に新たに面積約7000平方㍍の夢洲抽水所を設けることとしています。夢洲抽水所に集約された汚水は舞洲抽水所を経由して此花処理場で処理される計画です。
 これまでの経過として、この5議案は都市計画案となる前の素案の段階で本年4月に地元説明会を開催し、パブリックコメントを経て都市計画案を作成しております。都市計画案につきましては令和元年7月26日から8月9日まで縦覧を行いましたところ、意見書が12通提出されました。賛成の内容が10通、反対の内容が2通ありました。賛成の意見の内容は、夢洲の国際拠点化は大阪、関西の経済発展や都市魅力向上のために必要である▽大阪、関西の活性化のためにもIRを含め世界に誇れるリゾートシティの構築を期待する▽都市計画案は適正な検討を経て適切な内容となっている、とうものです。また賛成の意見に関連するものとして、夢洲における国際観光拠点化の推進を期待する意見をいただいています。その内容は、夢洲の国際観光拠点化は大阪、関西の経済発展のために必要であり経済を重視したIRを軸とした発展戦略を期待する▽夢洲全体でどのような街にしていくべきか、将来の街の姿を見据え交通インフラをはじめ必要な施設などの検討を進め整備されることを期待する▽大阪市内の各部署の緊密な連携が重要となるため、トップレベルから実務レベルまでそれぞれが共に考える恒常的な仕組みづくりに期待する▽夢洲だけでなく舞洲や咲洲も含めてベイエリア全体の相乗効果を最大限にするための検討を深めていくことを期待する、といった内容です。こうしたご意見に対する本市の見解は、「夢洲では平成29年8月に策定した夢洲まちづくり構想に基づき、新たな国際観光拠点の形成に向けた取り組みを進めてまいります。夢洲の統合型リゾートの立地を含む国際観光拠点化につきましては、大阪府、大阪市共通の大阪の成長戦略の一つに位置付けており、今後の夢洲の土地利用や交通インフラなどのまちづくりの具体化に向けた組織体制として大阪府と連携しながら、大阪市の関係部署が横断的に各事業間の計画内容や進捗などの総合的な調整を行うため、大阪市長を本部長、大阪府副知事および大阪市副市長を副本部長、関係局等を本部員とした夢洲まちづくり推進本部を新たに配置しております。また夢洲を中心にUSJや海遊館、舞洲のスポーツ施設などの観光集客拠点との連携も図り、ベイエリア全体の魅力向上にも取り組んでいくこととしております」。
 次に反対の意見について説明しますと、内容を大別すると3点ございまして、土地利用の方向性に関するもの、夢洲における商業施設、集客施設の立地に関するもの、その他関連事業の実施に関するもの、の3点です。土地利用の方向性に関するものは2点ございまして、1点目として、夢洲は阪神港として大阪市最大唯一の物流拠点であり、今後もさらに発展させる計画がこの用途地域(変更)により疎外され、ひいては大阪の物流、経済への支障となるので大阪の経済を支える基盤をないがしろにしている、というご意見です。2点目として、国際観光地区に用途変更するのは埋め立てが完了後、土地改良し、グリーンアイランドとして自然創生を果たし、日本が海外に向けて自然環境を大事にしていることを証明できるようなものにしてからにしてほしい、というというご意見です。これら2点のご意見に対する本市の見解は、夢洲については夢洲まちづくり構想に基づいたまちづくりを進めることとしており、この中で既に稼働中のコンテナターミナル等、大阪、関西の経済活動や市民生活を支える国際物流拠点の機能を充実させるとともに、大阪の成長をけん引する新たな国際観光拠点を形成することとしております。
 次に夢洲の商業施設、集客施設の立地に関するものとしては、こちらも2点ございまして、1点目といたしましては、台風、津波、高潮、南海トラフ地震などの大規模災害に対して、夢洲は大阪湾岸でも最も暴風雨と津波の被害を受けるなど脆弱な土地である。また土壌の液状化や浸水、地震、暴風雨時における交通インフラ機能の停止により万博やカジノ、IRで予想される来訪者の孤立なども想定され、多くの人が長時間滞在する商業施設、集客施設を建設するのは妥当ではないというご意見です。このご意見への本市の見解は、国際観光拠点とするエリアは、南海トラフ地震による想定上の津波最高の高さから5㍍以上高く盛り土することとしており、また粘土質の土砂で埋め立てていることから液状化にも強い基盤となっております。また、夢洲へのアクセスを担う夢舞大橋、夢咲トンネルについては南海トラフなどの巨大地震に対する耐震性を確保しております。災害時におけます国際観光拠点への来訪者の避難等につきましては、今後、夢洲に進出する事業者等により施設計画の具体化に合わせて検討が行われることとなっております。なお万博開催時は、万博の立候補申請文書いわゆるビットドシェにも記載の通り、会場内での広場や施設等への安全な避難誘導や備蓄、情報提供等による来場者が安心して滞在できる環境を整備するなど、来場者の安心安全を確保するために必要な対策を講じることとしております。もう1点、夢洲における集客施設、商業施設の立地に関するものの2点目といたしまして、夢洲の土壌は不安的で汚染物質や有害物質が含まれているため、商業施設、集客施設を建設することが妥当ではないご意見でございます。この意見に対します本市の見解ですが、国際観光拠点化を図るエリアについては、受け入れ時点での基準を順守した浚渫土砂や建設発生残土で埋め立てを行っております。
 次にその他関連事業の実施に関するものでは3点ございまして、今回の都市計画変更案と直接関係あるものではございませんが、ご参考までに本市の考えをお示しします。まず1点目としまして、地下鉄延伸は夢洲に来ることが法的に決まっていないカジノ業者からの支援を前提としているが、カジノ業者からの資金援助がなかった場合は資金や債務の負担について大阪市民の税金に転嫁するのか、また大阪市廃止構想の場合など、明らかでないといったご意見です。このご意見については、地下鉄延伸の整備財源に関する内容でございまして、本市ではIRを含む夢洲国際観光拠点化の実現に向けて取り組みを進めておりまして、IR区域整備に伴う夢洲地区への訪問者の増加等に対応するため、コスモスクエア駅から夢洲の新駅までの地下鉄延伸を含むインフラ整備費の一部をIR事業者に求めていくこととしているものでございます。次に2点目といたしまして、廃棄物、建設残土および浚渫土の処分場となっている夢洲において、購入土砂による埋め立てが廃棄物処分場を失うことにつながるという課題が示されておらず、ごみの有料化など市民の負担の増加につながりかねないため商業施設が負担を負うべきであるというご意見です。このご意見は、夢洲の廃棄物処分場などに関するご意見でございます。夢洲の国際観光拠点化に際して、購入土により埋め立てを進めるエリアは国際観光拠点の第1期および第2期とするエリア(2区北側、3区)でございます。ごみの焼却残渣などの廃棄物を受け入れているエリアはグリーンテラスゾーン(1区)とするエリアでして、これまで同様に引き続き廃棄物処分場として活用していくこととしております。なお、国際観光拠点となる第3期(2区南側)とするエリアは、万博開催後も引き続き浚渫土砂や建設発生残土の処分場として活用していくものと考えておりまして、夢洲の土地利用状況に鑑みながら対応してまいりたいと考えています。最後に3点目としまして、現在も渡り鳥が数万羽立ち寄り、大阪湾では貴重な干潟となりつつある、国際観光地区にするならこのような貴重な自然環境を保全することで国際的な希少性を創出すべきであり、購入土砂で埋め立てて、突貫工事で基盤整備を行うべきではなく、環境アセスメントをしっかりと行い、じっくり時間をかけて世界に恥じないものを作るべきであるというご意見です。このご意見は土地造成および自然環境に関するご意見です。夢洲の埋め立てを進めていくに当たりましては、渡り鳥等に関しては鳥獣保護法等の法令に基づき、適切に対応していくこととなります。
 長くなりましたが説明は以上です。よろしくご審議たまわりますようお願い申し上げます。
澤木会長 ただいまの議案についてこれから審議に入るわけですが、都市計画案の縦覧の際に意見書を提出された2名の方から審議会あてに意見陳述の申し入れ書が出ております。審議会運営規定第9条第3項に基づき、これら2名の方の意見陳述をそれぞれ5分以内で非公開で認めてまいりたいと存じますがいかがでしょうか。意義がないようですので、意見陳述を認めてまいりますので、そのように取り扱うよう陳述希望者に事務局から伝えるよう指示をいたします。
(非公開での意見陳述のため傍聴者は退席)
 意見陳述終了
澤木会長 ご意見、ご質問をたまわりたいと思います。ご意見、ご質問ございませんか。
多賀谷俊史委員(自民市議) 私のところにもいろんな意見が来ております。賛成、反対、いろんな意見があって当然だと思います。大変、基本的なことを聞いて申し訳ないんですけれども、意見の中には都市計画の内容に直接関係ないものもあると思いますし、実際、どの部分が我々判断する場合に関係があるのかちょっと分かりにくいところがあります。市民の意見をくみ上げて議論する場が大阪市会にあるわけですけれども、これからも夢洲については市会で議論していくことになると思います。そこで改めてお聞きするんですが、都計審では議案に直接関係がない意見も含めて審議の対象となるのか、事務局に確認をさせていただきたいと思います。
寺本計画部長 都市計画法には逐条解説というものがございまして、逐条解説によりますと、都市計画審議会としては付議された都市計画の案につき、可決するか否決するかを決することのみができるとされているところでございます。本日、ご審議いただいている議案につきましては、平成29年8月に策定いたしました夢洲まちづくり構想に沿いまして、夢洲の中長期的なまちづくりを実現するために道路や下水道と言ったような街の骨格となるような都市基盤、土地利用に関して必要な事項を定めようとするものでありまして、今回のように種々の課題の対応というのは、具体的なまちづくりの進捗に合わせて行われていくものでございます。夢洲に関する都市計画案につきましては、もとより様々なご意見が寄せられることが当初から想定されましたので、都市計画案の素案の段階で説明会を開催する、あるいはパブリックコメントを実施するなど意見の聴取に努めてまいりました。意見書以外で寄せられた申し入れに対しましては、別途、本市の団体等との協議の持ち方という指針がございまして、この指針に沿いまして団体協議を実施させていただいたところです。縦覧期間中に寄せられた意見書には議案とは直接関係ないと思われる意見もございますけれども、本審議会において幅広い見地からご審議いただくために、先ほど、本市の見解をお示ししたものでございます。
多賀谷委員 幅広い見地からご審議いただきたいとあるんですけど、この都市計画審議会は時間が限られていますし、すべてのことがここで議論されるわけでもないですし、例えば、説明の中に「世界第一級のマイス機能」ってあるんですけど、我々も見たこともないし、これからそういうものが示されていくわけですよね。まだまだ議論をすることがたくさんあるんじゃないかと思うんです。ここで我々結論を出したことが今後、議論を重ねていかなければならないと思うんですが、限られた情報の中で我々がここで判断をしていくということになると思うんですが、今後との整合性をどういうふうに考えたらいいのか教えていただきたいと思います。
寺本計画部長 今回のまちづくりは都市計画の内容の種類からしまして、中長期的に目指すべきまちづくりの内容を規定しようというものです。当然、例えば細かい建物が決まらないと決まらない内容については、今後の議論が必要なことになってまいりますので、それについては今後のしかるべき時期に議論していくということになると思っております。
多賀谷委員 そうですよね。やっぱりこの夢洲自身はアクセスが非常に弱いですよね。工事期間中についての工事車両の出入り一つとっても、今後、詰めなければならないこともありますし、多くの人が来るわけですからそのことについてもまだこれからの議論があるかと思っております。といったことから考えますと、我々議会としては今回の結論だけではなくて、いろいろな意見も含めて、また今後の情勢の変化によって市会の方で議論していくということでいいわけですよね。そういうことをお聞きしたかったということです。
 もう1点、これは確認という意味なんですけど、今回ですね、夢洲まちづくり構想では物流ゾーンとか観光産業ゾーンのようにゾーンごとに土地利用の方針が示されてるんですけれども、今回の用途地域の変更については観光産業ゾーンの中を変更しようということであって、それ以外の物流ゾーンや産業物流ゾーン、グリーンテラスゾーンについては変更がないという理解でいいですか。
寺本計画部長 夢洲まちづくり構想におきまして、観光産業ゾーンと位置付けられたエリアにつきまして国際観光拠点の形成を図るため用途地域の変更を行うこととしております。用途地域につきましては、観光産業ゾーンのうち早期に活用できる第1期および万博開催区域の一部となります第2期については基本的に商業地域に変更を指定するものであります。第1期の北端部の一部は(工業地域から)準工業地域(への変更)がございます。第3期は当面、水面が残ることから準工業地域のままとしておるところでございます。物流ゾーンおよび産業物流ゾーンについては、準工業地域および工業地域としておるところでございまして、土地利用の方向性が変わっていませんのでこれらについては変更いたしません。グリーンテラスゾーンにつきましても準工業地域から変更いたしません。委員のご指摘の通りでございます。
多賀谷委員 今回ね、地震時の避難や耐震性とかいわゆる防災の観点や、自然保護の観点から様々な意見が寄せられているということなんです。夢洲のまちづくりの内容に合わせて議論すべき問題、中でも半年間で2800万人の来場者を目指している万博開催の避難計画等ですね、最重要課題なんですよね。それをこれからもしっかり市会で議論していかなければならないと考えております。一方、今回の都市計画案は夢洲の大きなまちづくりの方向性を定めた夢洲まちづくり構想に基づくものであって、方向性と今回の都市計画の整合性が諮られているという観点から我々も態度を決めていきたいと思います。
澤木会長 そのほかご意見、ご質問がございませんか。
井上浩委員(共産市議) 2名の方の意見陳述、非常に貴重なご意見であるとお聞きしました。まず1問目ですが、今回、用途地域の変更が提出されております。工業地域、準工業地域を商業地域に変更する案ですが、そもそも何のための変更なのかという角度からお聞きしたいと思うんですが、万博との関連はどうなのかということなんですが、用途変更しなくても万博は開催できると認識しているんですが、その点いかがでしょうか。
寺本計画部長 今回の夢洲の都市計画変更は、平成29年8月に府市、経済3団体で策定しました夢洲まちづくり構想に沿ったものでありまして、短期的なものではなくて、中長期的なまちづくりを実現しようと、そのために定めるものでございます。用途地域につきましては、大規模な商業施設や宿泊、エンターテイメント施設などの集客施設の集積でありますとか、世界水準の質、規模を備えた大規模展示場、会議場といった土地利用を誘導すると、それから健康で活き活きとした生活を実現するための革新的な技術の創出や体験といった新たな産業振興にも寄与する機能を実現するために、商業地域に変更するものでございます。
井上委員 つまり、用途変更しなくても万博自体は開催できると、そういう認識でよろしいですね? よろしいですね、はい。まあつまり、万博後の街づくりを念頭に置いた用途変更だということであります。議会でこれまでも繰り返し議論をしてきたところではありますけれども、IRが現市政、府政において最大ともいえる成長戦略だと、こういう位置づけなんですね。それに対して我々の立場から申し上げてきたことというのは、IRが最大の成長戦略というのはいかがなものなのかということで、この270万人市民が日常生活を送り、生業を営み、そういう場所での成長戦略を考えるべきなのではないでしょうかと、そういう立場から議論をしてきたところです。これはもちろん平行線であるわけですけど。そういう立場からも私はその、半年で終わる万博の後、夢洲での成長戦略を推進していくと、しかもIRが眼目だということ、そのための今回の議案でありまして、大変、疑問を持っているということをまず申し上げます。
 それからですね、今回、大変、大きなまとまった面積の区域の用途地域を商業地域に変更するということであります。これだけ大きなまとまったエリアの用途変更、しかも商業地にという、こういう事例が過去にあるんでしょうか。
寺本計画部長 一般的に大規模な工場跡地の再開発など相当程度まとまった低未利用地の土地利用転換を図る場合、当該地区の新しい街づくりの方針などに沿いまして新たに必要となる都市基盤の整備と併せて、目指すべき街づくりにふさわしい用途地域に変更するということがございます。直近の事例でございますが、平成29年1月にうめきた2期地区約17㌶におきまして、うめきた2期地区のまちづくりの方針に基づきまして、用途地域を商業地域に変更したという事例がございます。
井上委員 規模からしてもまとまったエリアだということからしても、これは前代未聞なんですね。既存の商業地域の活性化にこそ力を注ぐべきではないかなと、それを成長戦略として真正面に位置付けるべきではないかなと、何で今から新たに390㌶を商業地域に設定せなあかんのかと思います(390㌶→143㌶)。
 最後にもう1点、近年、全国的に地震や台風が多発しております。今日も、昨日、今日にかけて関東地方は大荒れの天気となっております。甚大な被害が発生しているという状況です。大阪でも昨年の大型台風で関西国際空港が浸水するという被害がありました。夢洲には大規模な商業施設をはじめ道路や鉄道のインフラを整備しようとしているわけでありますが、埋め立てによって作られた人工島であるために地盤沈下が懸念される。地盤沈下しない人工島ってないんじゃないかと思います。夢洲において地震による津波や液状化への対策、長周期震動に対するインフラの耐震性、さらには台風による浸水、高潮などへの対策、これちゃんととられているという認識なんでしょうか。こんなとこで商売しても大丈夫なのかということが心配されるんですが、いかがでしょうか。
寺本計画部長 夢洲の国際観光拠点とするエリアにつきましては、地盤沈下等を考慮したしまして、想定上の津波最高高さから5㍍以上、高く盛り土をすることとしております。また、粘土質の土砂で埋め立てていることから、液状化にも強い地盤となっております。夢洲へのアクセスを担う夢舞大橋、夢咲トンネルにつきましては、南海トラフなどの巨大地震に対する耐震性を確保しております。先ほど、委員から面積の話がございましたが、夢洲は390㌶でございまして、そのうちの約143㌶を商業地域に変更しようとするものでございます。
井上委員 防災上、環境上ですね、本来の用途地域の趣旨に照らしても商業地域にするというのはやっぱり疑問が払しょくできないでおります。防災上の問題で言えば、昨年の台風21号では(夢洲は)大変な被害を受けたわけです。護岸が破壊されたりとか、コンテナがひっくり返っている映像も報道されました。ベイエリアですから風も波も直撃、もろに受ける場所です。8年前の東日本大震災の時も震源地から700㌔離れているにもかかわらず、WTCなんかも大きく揺れて360か所破損。エレベーターの閉じ込め事故、10名の方が閉じ込められたんですけど、確か6名の方がWTC、ATCだったと思うんですね。残りの4名の方は此花区だったと思います。震源地から700㌔離れて一番被害を受けたのはあのベイエリアだったわけなんです。南海トラフ巨大地震が起きた時に大丈夫かという専門的な知見によって、今のご答弁につながっているのか大変、疑問に感じます。環境アセスをこれからやられていくと思うんですけど、愛知万博の時も環境アセスをやられて、最初は海上の森でやる予定だったんですけれども、開発が進んでいく途上で特別天然記念物のオオタカの巣が発見されて長久手に会場変更した経過もあるわけです。(夢洲には)貴重な野鳥がたくさん飛来してきているという状況も皆さんご承知だと思いますし、環境という観点から言えば、(夢洲は)ごみの最終処分地です。国の法律が改正される以前の高濃度のダイオキシンも地中深くに埋め立てられている。これから掘削工事やっていくわけですよね、高濃度のダイオキシンが滲出してくる可能性も、当然想定されていると思うんですけど、大丈夫なのかということなんです。環境アセスやっていく中で、オオタカの巣はないでしょうけれど、ダイオキシンの巣が見つかったらどうするんですかって話に直面するわけです。ですから、いろんなことを想定しながら進めていかなくてはならないわけです。にもかかわらず、商業地域にしてしまいますよ、と。半年の万博が終わった後もそこで商売をやり交通アクセスを整え、ということを決めてしまうということです。懸念と危惧を感じているところです。こういう特性を持ったエリアであることを承知の上で、商業地域にしてしまうことは将来にわたって問われ続けていくのを我々委員は肝に銘じなければならないと思っています。
 用途地域の趣旨は、将来のあるべき土地利用の姿を実現するための一手段として建築物の用途、容積、形態を定め地域の性格を明らかにするとともに、良好な都市環境の保全および育成に努め、もって都市の健全な発展と秩序ある整備を図ろうとするものである。これ(夢洲は)そもそも良好な都市環境なんでしょうか、このエリアが。ごみの最終処分地が良好な都市環境と言えるのか、本来の趣旨としてこの土地は活用すべきではないという意見が寄せられるのはごもっともだと考えます。同時にこれから、インフラ整備も行われていくということで、私は(大阪市会の)委員会等でも率直にこの点に絞って疑問を投げかけてまいりましたけれども、ここに540億円かけて地下鉄を通して大丈夫なのか、安全面も採算面も含めて聞いてまいりましたけど、明確なご答弁は返ってまいりません。万博が終わった後はIRだのみなわけですから、これIR専用列車になるわけですね。東京ディズニーランドに行ったら、ディズニーリゾートライナーというのが通ってますが、リゾートライナーですよね。リゾートに行くお客様を運ぶ、それをメトロが経営するということですから、本当に経営面でも大丈夫なのか、懸念が払しょくできません。
 最後ですが、大阪が頼みにしていた米国のカジノ大手ですね、繰り返し大阪のみが日本の中ではIRに最も適した場所だと言ってきたわけですけれども、聞くところによると、交通アクセスが悪い、開発タイムラインが厳しい、負担金が大きいということで撤退を表明したということも言われておりますので、IRだのみの商業地という発想には疑問を感じます。
東貴之(維新市議) 本日は意見陳述ということで聞かしていただいましたけれども、本日、賛成の方の意見陳述がなかったり、いろいろありますので、今後、この都市計画審議会の方でどのような議論を進めるのかという本来の部分を、会長とまた事務局の方で整理いただいて、次回からの審議会の開催を希望するものです。
澤木会長 ご発言の趣旨は、今回の議案を次の審議会でもう一回議論しようと?
東委員 いえいえ、今日はここで決めていただいたらいいですけども、次回以降も会長の仕切りでもう少し本来の議論で時間が使われるようにということです。
澤木会長 それでは議案の評決を確認します。
(すべての議案が賛成多数で可決)
澤木会長 本日、決議をいただきました案件はただちに必要な手続きを行わせます。

(以上)