2019年9月12日 大阪都構想の第26回法定協議会開催。委員間協議に向けての論点整理。「大阪都」と言う名称を使っていいのかも話題に

 9月12日、大阪府庁で第26回「大都市制度(特別区設置)協議会」(通称、法定協議会)が開催されました。これまでは大阪府知事、大阪市長の意向を受けて副首都推進局が作成した議論のたたき台となる「特別区素案」について、協議会委員が副首都推進局に質疑する形でしたが、この日は委員間協議に向けての論点整理という内容でした。「大阪維新の会」は「大阪都構想に賛成し、構想に対して建設的な意見しか言ってはダメ」という方針。大阪都構想に賛成する委員ばかりではないので、次回以降の委員間協議でどこまで議論することができるのかが焦点となりました。
 委員交代(自民、府議) 中井源樹委員→原田孝治委員

今井豊会長(維新、府議) 協定書の作成に向けた意見や具体的な修正意見の表明を各会派から行っていただき、その後、論点の整理を行うため、各会派が表明された内容について、委員間で意見交換を行っていただきたく思います。まず、維新さんお願い致します。
藤田暁委員(維新、市議) 我が会派としては先の知事、市長のダブル選挙、統一地方選挙におきまして、大阪都構想の推進というのを全面に掲げて選挙戦を戦わせていただき、府民市民の皆様から大きな民意を頂戴することができました。その事実を背景に公明党会派の皆様からは、民意を重く受け止め今後は賛成の立場で議論に参加したいというお言葉をいただき、自民党の大阪府連の会長も都構想については反対ありきではなくゼロベースで議論するという言葉を発信されております。また住民投票については自民党の大阪府連の会長はこれを容認するという趣旨の発言もあったところであります。ようやく大阪の未来を力強く成長させる大都市制度の実現に向けまして、各会派のご理解の下、前向きな議論ができる状況に至ったことを、またそれを支えていただいた大阪市民府民の皆様に大きな感謝を申し上げたいと思っております。
 我が会派の基本スタンスといたしましては、これまで大阪府、市の職員が知見と時間と労力を結集して作成された特別区素案につきまして、基本的にはそんな大きな修正事項はないという認識に立っております。そして我々は、都構想に賛成の立場から建設的に協議を進めていただける各委員のご意見を尊重しながら今後の協議に向き合っていきたいと思っております。そのような前提に立ちまして、本日はこれまでも申し上げてきたところではありますが、我が会派の特別区素案に対する意見表明を申し上げます。
 まず、区の名称についてです。これまでも本協議会において申し上げてきたところではございますが、現在、東西区と仮称されている第1区を淀川区という名称へ、南区と仮称されている第4区を天王寺区という名称へそれぞれ変更することを提案いたします。各特別区の地勢や文化、歴史などを勘案したうえで、我が党において大規模な住民意識調査を実施しました結果、第1区を淀川区、第4区を天王寺区に変更すべきとの声が多かったことは、これまでの協議会でも申し上げてきた通りです。この点につきまして、委員間の協議をお願いしたく存じます。
 次に特別区の設置コストについてです。我が会派は設置コストの中でも特に大きなウエイトを占める庁舎整備費について、これまでも1人当たり執務面積の精査なども提案したうえでコスト縮減の可能性を指摘したところです。一方、第24回協議会において、公明党会派の方から特別区の設置コストを最小限に抑えることが不可欠、大幅な削減を目指すべきとの意見表明もあったところです。コストを最小限にすることは我々も同じ思いでありまして、庁舎議論についてはこれまでの発想にこだわらず大胆な発想で議論を進める必要があると考えております。このためこれまでの積算方法や前提条件を再度、洗い直す必要があるのではないかなと考えております。さらに、特別区の区域にこだわらず現有庁舎等を最大限、有効活用、有効利用した検討、コスト試算を提案致します。これには今後、事業の精査は必要と思っておりますが、各特別区はそれぞれ独立した自治体ではあるものの、すべての業務をその特別区域内で実施する、オフィスがそこにあるという必要は必ずしもないのではないかと思っております。住民の税金を一番コストを抑えて実現できるプランがあるのであれば検討すべきだろうと考えております。
 次に協定書の取りまとめてについて申し上げます。これまで特別区の職員体制については種々の議論が行われてきたところでありますが、新たな広域自治体となる大阪府側の組織体制には十分な議論が行われてこなかったのではないかと認識しております。大阪府の組織体制についても大阪全体の成長を力強く担うことができるものとなるよう、これまでの枠組みにとらわれない発想で再構築する必要があるのではないかと考えております。具体的には全国トップクラスのスリムな組織体制を維持しつつ大阪の成長を担う司令塔組織の創設、適材適所の設定、縦割りの排除、府市職員の融合を踏まえた組織体制などについて知事のお考えを示していただければと考えております。
 次に特別区の区議会体制について申し上げます。これまで協議会は26回開催されておりますが、区議会の議員定数についてはそれほど突っ込んだ議論がなされていないと思っています。議員定数についても次回以降の委員間協議の中で早期に協議いただけるよう会長にお取り計らいをお願いいたしたく存じます。
 最後になりますが、今後の協議会の進め方について申し上げたいことがございます。再三にわたり申し上げておりますが、委員間協議はあくまでも協定書作成を目的にすすめられるべきものと考えておりまして、特別区の設置に賛成でない立場の委員の方々がいらっしゃるのは重々、存じておりますし、それを否定するものでもございません。対立意見、反対意見ほど重要を考えておりますが、一方でそれは住民サービス向上、つまりよりよい設計図づくりのために合理的かつ誠実な視点において批判されるべきものであるというふうに考えておりまして、故意に議論をミスリードしようとするものや論拠に乏しく合理性を欠くような批判、それからいたずらに膨大な資料を要求して議論を遅延させるようなもの、こういったものについては控えていただくようにお願い申し上げたいと思っております。会長におかれましてはこの点も十分差配をお願いしたいところです。建設的な協議を進め、よりよい協定書の作成ができること期待して我が会派の意見表明とします。
今井会長 次に自民さんお願い致します。
川嶋広稔委員(自民、市議) 資料配布とパネル掲示の許可をお願いします。我が会派は是々非々の立場で臨んでいるということで、今回はこの特別区素案に対しまして我々としての問題点を述べさせていただいて、このような方向で修正してはどうかというような修正の考え方を提案させていただきたいと思っております。議論するにあたっては地方自治に関する行政的な仕組み、制度を法律なり国の、例えば地方交付税制度に基づきしっかりと議論をし、誤った方向に行くことがないように議論を積み重ねていかなければいけないと思っております。
 まず、特別区素案、修正提案にあたって、検証の視点としてましては、特別区素案の中にも書かれていますけども、特別区重視、基礎自治サービス、住民サービスの拡充、二重行政の解消ということが書かれておりますが、これは本当に実現できているのかという視点で検証させていただいております。また他の市町村においては負担することがない費用、府税で負担されているものに関して特別区が市町村税で負担させられているものはないか、要は他の市町村と比べてこの特別区に対して過度な負担があるのではないかという視点で考えております。また、三つ目は大阪市を分割することによります行政コストの増大、万博などの大規模事業、さらには社会保障費の増大。先般も大阪市の財政総務委員会でも(東京に)視察に行った際、特別区の方々とお話をしておりましても社会保障費の増大の課題については述べられておりました。この点を含めて将来にわたって財源不足が生じないのかどうか、そういうことをベースにして我々として、特別区素案について考えをまとめたところです。
 行政コストの増大、財政問題については、一つ目は特別区を設置することにより、肥大化する行政コストについての課題があると考えています。自治体を分割するとスケールメリットが失われます。基準財政需要額をこちらで試算しましたら、(大阪市を四つの特別区に分割すると)200億円ぐらいは増大するであろうと計算しております。これぐらいコストが増大すると課題として見えてきております。二つ目、行政コストの肥大化に応じて、地方交付税の増額措置がない中で(国の交付税は増額されないので)財源不足が生じる恐れがあるということです。3番目の今後の社会保障費の増大へ対応で、高齢化等により、今後10年間で1152億円の増大が見込まれるということです。四つ目に、広域一元化の効果は特別区に還元されておりません、そういう設計にはなっておりません。広域一元化の効率化効果額は大阪府のみで享受される制度設計になっている、そんな課題があることを申し上げたいと思います。
 この点に対しましては、特別区素案の修正の提言ですが、広域一元化に伴う効率化効果を算定し、この分についても特別区に配分する。また、財源配分を見直して住民サービスの財源を確保するようにこの素案の修正、訂正をするべきだと考えております。また今後の社会保障費関係、この経費については財政調整財源を優先的に特別区に確保、配分するとともに、余力財源についても特別区に配分されることを修正を求めていきたいと思っています。
 次に府下市町村が負担していない費用を特別区のみが負担させられるという問題点でございます。大都市特例事務等の都道府県事務、任意事務のうち大阪府全域に効果が及ぶ広域大規模事業、これらを特別区が市民税、財政調整財源で負担することになっています。これを大きな課題を感じています。二つ目として、事務処理特例条例によって、都道府県事務が特別区に委譲されますけれども、財源については委譲されずに特別区が負担することになっておりますのでこの点も課題があると感じております。合わせて三つ目、特別区民は税の二重負担を強いられるけれども、その意思を十分に反映することができないという課題を感じております。その課題に対しまして我々としては、大都市特例事務等の都道府県事務の分と、任意事務のうち大阪府全域に効果が及ぶ広域大規模事業に対するもの、また事務処理特例条例によって特別区に委譲される都道府県事務について、これらはしっかりと大阪府が府税等で負担すべきと考えておりますので、そのような内容への修正をするべきだと提言をさせていただきたいと思っております。
 大きいところでは今申し上げました二つをピックアップさせていただきましたが、そのほかということで、一部事務組合につきましては、システム、介護保険については一部事務組合ではなくて、各特別区に事務を配分すべきだと思っております。システムについてはいろんな行政の施策、各特別区の判断でシステムが変わることもあろうと思われますので、やはり政策をしっかり各特別区長がとれるという意味ではシステムを分けておくべきだろうと思いますし、これから高齢化社会が進む中で特に介護保険については様々な高齢者施策に関しては特別区において独自性が発揮されることと思いますので、この介護保険についても各特別区に事務を配分していくべきだと提案、提言させていただきます。
 次、事務分担に関してですが、消防、水道につきましては、本来、基礎自治の事務ですけれども、特別区素案では東京の例にならって大阪府側の事務になっておりますけれども、現状、大阪府側では消防、水道は大阪市域外に関しては市町村が担っておられます。消防、水道、大阪市域内のみの対象のものを大阪府に移管をし、大阪府としては大阪市域のみの消防事業、水道事業になります。当然、府域全体の広域化については我々も前向きには検討していきますけれども、特別区を設置する段階においては本当にそれが必要なのかということを検証し、我々としては府域全体の状況、広域化の状況を見据えながら段階的に移管する、これこそが住民自治も考えながら大阪らしい考え方になると思いますのでこの点も提案させていただきたいと思っております。職員体制につきましては、職員数の積み上げ、これをしっかり行いながら算定を行うべきであると思っております。市会の方の「大都市・税財政制度特別委員会」でもこの点は指摘をさせていただいておりますけれども、分散率、集約率というものを踏まえて、制度が変わった段階で職員がどうなるのかっていうことをきちっと計算した上で、その算定、積み上げを行うべきでありますので、その点の修正の提案を求めていきたいと思っております。財政調整でございますけれども、市町村事務に関して大阪府が実施するものであっても、地方交付税の市町村算定分を交付する際に臨時財政対策債を発行しなければならない場合、特別区側で発行しなければならない法律的な建付けになっておりますので、事業は大阪府側で、でも臨時財政対策債は特別区側でという問題に関しては、きっちりと臨時財政対策債を大阪府が発行することをこの制度の変更も含めて求めるべきだと思っておりますので、この点も含めて提案をさせていただきたいと思っています。以上、抜粋した点を申し上げました。やはり、特別区長のマネジメントによるところという話もありますけれども、まずは制度が変わることによってと具体的にどうなるのかというところをしっかりと検証した上で、この特別区へ移行することへの、最初申し上げました特別区重視であったりとか、基礎自治サービスの充実とか、その点が本当に確保されるのかということを真摯に議論を重ねながら検証していくべきだと思っております。前向きな議論を皆さんとできることを望んでおります。以上で取り急ぎ、我々の修正の提案とさせていただきます。
今井会長 次に公明さんよろしくお願いします。
肥後洋一朗(公明、府議) 我が会派は第24回協議会において、特別区設置に賛成の立場から建設的、積極的な議論を行い、住民目線で協定書づくりに取り組むことを表明いたしました。これは特別区の設置において、住民サービスが継続され住民生活に大きな変化がなきようにしたいためであります。ここで再度確認をさせていただきますと、1点目に住民サービスを低下させないこと、例えば大阪市独自の敬老パスや塾代助成、子供医療費助成などの維持であります。2点目に特別区の設置コストをできるだけ最小限に抑えることにより新たな住民負担を求めないことです。3点目に現行の区役所機能を維持し、窓口サービスを低下させないことです。最後に、児童虐待防止対策としてすべての特別区に児童相談所を設置することです。本日はこの四つの点を反映した制度案となるよう具体的に修正すべき点を提案させていただきます。
 まず、1点目の住民サービスを低下させないことについては、現在の特別区素案は前回の住民投票を踏まえて住民不安の解消を目指した制度設計にしているとのことですが、敬老パスが無くなるのではないかといった住民サービスが低下することに対する不安の声が聞かれます。その他にも、月1万円の中学生の習い事費用を助成する大阪市塾代助成事業や、国民健康保険や、被用者保険に加入している0歳から18歳までの子供を対象にした子供医療費助成事業など大阪市が独自に実施している充実した住民サービスが他の都市に比べてたくさんあります。これらのサービスを維持し、特別区設置移行時に住民サービスをしっかり継続していくことは重要なことであります。しかし現在の(特別区)素案では大阪市が実施してきた特色ある住民サービスは「内容や水準を維持するよう努めるものとする」と記載されており、これでは維持するよう努めるが維できないこともあるというふうにも読み取れます。特別区設置という大きな制度改革は断行するものの、住民生活に関わるところにはできるだけ影響を与えないようにすることが重要と考えており、素案に記載された努力義務ではなく確実に承継していくという安心感を明確に表明すべきです。そのためにも現在、承継の方針に記載されている「努める」との文言を削除し、協定書においても現在の現在の住民サービスの内容や水準を維持する、と明確に記載することを求めます。
 2点目、特別区の設置コストの削減については、新たな住民負担となる庁舎設置コストは最小限に抑え、その抑えた金額を住民サービスの充実に向ける認識であります。まず既存庁舎の利活用状況の再精査を行うことでさらなる有効スペースが確保でき、建設面積をさらに圧縮できるのではないかと考えております。また、国、府や市の活用できる公共施設の活用も視野に入れ、検討するなどあらゆる手法を検討していくのも必要です。そして、新庁舎の建設にあたっては、PFI方式などのさまざま手法を検討し、建設コストも最もできる手法を追求すべきではないでしょうか。最近も全国で庁舎建設コストを少しでも削減しようとする工夫がなされております。こうした先進的な事例を参考に是非、幅広く検討してはどうかと提案致します。さらにシステム改修経費についてもさらなる検証が必要と考えております。現在の素案にあるシステム改修経費は、平成25年時点で積算されておりますが、現在では総務省が提案している自治体クラウドを導入することで2割から4割のコスト削減も可能であると言われております。災害時のデータ管理を考慮しても特別区が個別にデータを管理するのではなく、クラウドを導入することにより、災害時のリスク対応も可能になると思います。システム改修のイニシャルコストも含め、少しでもコストの削減ができないか精査、検証を求めます。
 3点目、区役所機能の維持についてです。特別区素案では特別区が設置されても現在の24区の区役所を維持し、地域自治区事務所として設置をし、現在と同様のサービスが提供されることになっていますが、この点の理解がかなり不足していると感じています。私どもは現在の区役所機能が継続され、窓口サービスの低下を招かないよう市民に正しく理解されることが重要だと考えております。しかし残念ながら現時点では住民の皆さんから、特別区になれば現在の区役所が遠くなるとの不安の声が多く聞かれ、この情報が当然のごとく流布されております。そこでまず、地域自治区の名称について市民の窓口として、慣れ親しんでいる現在の区役所という名称を特別区設置後も引き続き使用することを提案します。合わせ、保険年金、子育て、生活支援などの現在の窓口サービスが低下しないよう承継されていくのを求めておきます。
 4点目の児童虐待防止対策についてであります。児童虐待は全国的にも深刻な状況であり大きな課題となっております。大阪府では児童虐待の疑いがあるとして、大阪府警が児童相談所に通告した18歳未満の子供は2018年に初めて1万人を超え、5年連続で全国最多となっております。また大阪市子ども相談センターにおける児童虐待相談件数は、2018年度は約6300件と極めて多く、過去最高を更新し続けております。子ども相談センターでは児童福祉士をはじめとした職員の皆さんが24時間365日昼夜を問わずその対応に取り組んでいただいておりますが、残念ながら死亡事案もあるなど重篤な事例も発生しております。児童虐待防止対策の強化は大阪において極めて重要な対策の一つと言っても過言ではありません。このような状況から我が会派では、特別区設置に伴いすべての特別区に児童相談所を設置することを提案しております。児童福祉法の改正により児童福祉士等の配置基準が見直されたことを受け、大阪市としては2026年までに児童福祉士や児童心理士161人の動員を行うことが既に示されております。また児童福祉士の配置基準は児童虐待件数によって変動してまいります。これまでの相談件数の推移を見れば、今後、さらに児童福祉士をはじめとした専門職が必要となることは必死であります。こうした点からも児童虐待防止対策の強化を踏まえ、組織体制を十分検討し、すべての特別区に児童相談所が1年でも早く実現できるように求めておきます。以上、縷々、申し上げてまいりましたが、本日、大きく4点の項目についてそれぞれ提案をさせていただきました。今後、会長をはじめ知事、市長、法定協議会委員におかれましては、我が会派の提案について真摯に議論をお願いしたいと考えております。大都市制度改革は市民の皆さんの生活にも大きな影響を及ぼす大切な議論となります。我が会派としては今後とも住民目線、生活者目線から議論を行い、住民の皆さんの不安を少しでも解消し、また理解が深まっていくことを求め意見表明を終わります。
今井会長 次、共産さんお願いします。
山中智子(共産、市議) 我が党の意見は6月21日の第24回法廷協議会で申し上げたことと基本的に変わるものではありません。すなわち、大阪市を廃止して428もの事務事業を大阪府に移管しても、個々の事業の財源も権限も大きくなるわけではなく、それらのいわゆる広域的な行政が進むものでも良くなるものでもないということです。例えば広域インフラにしても国頼みと言うか、国の意向次第であって、府市が一つになったとしてもスピーディーに物事が進むなどということではありません。それに淀川左岸線もなにわ筋線も、良し悪しは別にして、動き出しているという状況の中で、これ以上、何を進める必要があるのかということでもあります。要するに大阪市廃止分割の結果、出来上がる大阪府は実の伴わない図体だけは大きくなるけれども、従来の広域機能に大阪市域のみの消防、下水道など大阪市域の基礎自治機能を取り込んだいびつな構造になるということです。ともかく大阪府の中に、府と並び立つ大阪市という政令市があることが問題であるかのような議論がありますけれども、とんでもない話だと思います。そんなことを言っていたら、横浜や名古屋、神戸なども解体しなくてはならなくなってしまいます。申し上げるまでもなく広域行政は府の責任です。大阪市廃止うんぬんの前に大阪府がその固有の責任を果たすことこそ先決だと思います。
 そしてそうやって作られる四つの特別区についてですが、市町村の基幹税目である固定資産税や法人市民税などを府に移管させられるとともに、街づくり、都市計画の権限すら喪失するなど財源、権限ともに一般市にも及ばないまさに半人前の自治体に成り下がるということです。そもそも東京特別区が作られたのは、1943年、昭和18年、戦時下の非常事態の中、時の東条内閣によって帝都防衛のためと称して強行されたものです。そういう成り立ち故に、先日、(大阪市会の)財政総務委員会でも(東京特別区の)話うかがってきましたけれども、戦後74年、長きにわたる自治権拡充にも取り組んでおられますけれどもやっぱり特別区を廃止してせめて一般市にという運動が続けられていることは誠に教訓的だと言わなければなりません。しかも政令市は今や20市にも及び、一定の人口を有する基礎自治体なら我先に政令市に名乗りを上げようとする中で、その当の政令市を返上しようとするなどということはとても常識では考えられない、文字通りの愚挙というほかないと思います。
 そのうえ、四つの特別区に分割することによって。330人の職員増やシステム運用経費の増などに加え、庁舎建設やシステム改修費用など膨大な設置コストを要して、いきおい住民サービスはカットせざるを得なくなるということで、市民にとって百害あって一利なしであり、一貫して申し上げているように大阪市廃止分割には私たちは反対です。そのための住民投票にも賛成できません。
 なお前回、第25回の法定協議会で嘉悦学園の報告書に対する質疑をごく短時間、行ったところですが、改めて補足的な意見を述べておきたいと思います。資料の配布をお願い致します。前回も申し上げました通り、嘉悦学園の報告書は人口50万人程度で(住民)1人あたりの歳出が最小となり、以後、人口が増えるに従って1人あたり歳出額も大きくなるという、いわゆるU字カーブを描くという研究理論を立証するものとはなっておりません。今日もお配りをしておりますけれども(資料)、東京特別区の人口と1人当たりの歳出額との関係をみればはっきりいたします。人口50万人の江東区が37万円に対して、72万人の大田区、73万人の練馬区がそれぞれ35万円、91万人の世田谷区にいたっては31万円と江東区より6万円も低くなっています。全くU字ではない。U字カーブということは立証されていません、むしろL字だと思います。確かに人口の大きな大都市では、1人当たり歳出も大きくなるという傾向は一般的にみられると言えなくもない場合もあるという感じではありますが、それは前回も言いましたように、比較的物価が高く、従って人件費等行政コストが大きいがゆえであって、それとてU字を描くようなものではないことは報告書にも示されている通りです。ましてや都市を分割して人口を減らしたからと言って、物価が下がるわけでもなし、1人当たり歳出が大きく低減するなどということは考えられないことです。
 そのうえ、嘉悦学園の報告書には比較すべき数値に誤りがあることもはっきりしました。理論値は全市町村の2016年度決算ベースで算出しているにもかかわらず、比べるべき大阪市の実績値は2016年度中核市相当の予算という具合です。正しい数値で比較するなら、歳出削減の可能性どころか、これ以上、歳出を削減する余地などまったくないということが分かるわけです。今回は、中核市11市ですね、大阪と兵庫、東京の中核市11市と大阪市の中核市並みの事業の歳出実績値、これいずれも公債費、扶助費を除いたものですけれども、これを比較してみました。大阪市の中核市並みの1人当たり歳出実績値は22万7000円です。人口57万人の八王子市では19万6000円で大阪市と比べて少し低くなってはいますけれども、人口53万人の姫路市が25万1000円、人口45万人の尼崎市が23万3000円と逆に大阪市より少し高くなっている。こういうふうに、全体として大阪市とこれら中核市との間にはほとんど差異がないということが見てとれると思います。人口270万人と、これら11市と比べて突出した人口を有する大阪市において、かくのごとしということですから四つの特別区に分割すれば年1000億円の歳出削減の可能性が生ずるという嘉悦学園の報告書がいかに現実から遊離しているものであるかということを申し上げたいと思います。地方自治体の合併は数多ありますけれども、分割は一例もありません。合併の場合はスケールメリットが働くので、初期コストの回収に要する一定の年数が経てば1人当たりの歳出はある程度、自然にというかそう無理なく減らすことができるのは確かだと思います。二つの自治体を一つにすれば庁舎も二つから一つにすることもできるでしょうし、各種行政委員会も二つから一つになる、職員も首を切ることはできませんが退職不補充で一定年数経てば減っていくことになろうかと思います。もちろん、首長も2人から1人になるし、議員も定数減るということになりましょうから、行政水準を落とすことなく歳出を削減できる、これは現実的に理解できる話です。その点、大阪市四つの特別区に分割する場合は、庁舎の数も増えますし、各種行政委員会等も一つから四つになる、職員も少なく見積もっている素案でさえ330人増えますし、首長も1人から4人になる、議員も近隣中核市並みにすれば148人増えるというようにスケールメリットが逆に働くというか、スケールメリットが失われて1人当たり歳出額は確実に増えることになり、結局、行政水準なり市民サービスを落とすことなしには、歳出を削減するということはできないわけです。ニア・イズ・ベターで住民サービスが取捨選択されて歳出の適正化が行われるはずだと言われますけれども、確かに今の行政区単位で見ると高齢者比率の高いところとそうでないところもありますし、コミュニティバスなど交通アクセスの拡充を切望するところもある、子育て施策の拡充を要求するところといろいろありますけれども、四つの特別区という単位で見ますとあまり大きな差異は見られませんし、国との関係などから考えても制度的なものや大枠の施策を大きく減らすことは難しいと考えます。結局、特別区長が作為的にこれまで市独自で実施してきたもの、例えば敬老パスや塾代助成などの施策をカットする以外に歳出削減はできないということです。以上の通り、四つの特別区に分割しても歳出削減にはつながらない上に、むしろ逆にコストが増えて住民サービスをカットせざるを得なくなる、市民にとって何一つ良いことはないというのが私たちの意見です。
今井会長 ここからは次回の委員間協議に向けて論点を整理するため、各会派が表明された内容についての確認や意見交換を委員間で行っていただきたいと思います。まず各会派から表明された内容について何か確認されたいことはございますか。
松井一郎市長(維新) 公明党さんの意見表明で今の大阪市が住民に対して実施している施策、その独自のもの、これが敬老パスだ塾代助成ということでありまして、これが成り立つという証明は当たり前のことですけど、僕は今、吉村市長から引き継いでそれをやるのに、来年度予算に向けて今、予算編成やってるわけです。吉村市政でやってきた例えば、子供たちの幼稚園、保育園の無償化とかこういのを引き継ぐ、さらに虐待については拡充しようと思ってるんです。で、何が言いたいかというと、これは予算があって初めて出来上がるもんですから、今の大阪市の施策を特別区が成り立つんだろうなというご確認に対しては、全体の予算として財政シミュレーションがやりくりつけば、やれるというご認識を持っていただけるという考えでいいんでしょうか?
肥後委員 松井市長がおっしゃられた部分なんですけども、先ほども申し上げましたけれど「努める」という文言になっておりますので、そこをしっかりと文言修正をしていただかないと、うちとしては「できないこともある」と読み取れてしまいますので、市民の方としたら不安の声が聞こえておりますので、そこは担保していただきたいということであります。
松井市長 あの、これは知事、市長案として原案を議論のたたき台として皆さん方にお示しをしています。その時に、我々知事、市長が「努める」という表現はですね、最終的には民意で選ばれた区長が予算編成するわけですから、その区長の権限を今の時点ですべて縛るのはいかがなもんかとして「努める」にしましてん。だから要は特別区の方でそれが実行できるという裏付けは、それだけの財政的な担保があるかどうかということですから、これは表現が努めるということで不安になられているかもしれませんが、財政的には我々と同じ思いの特別区長ができれば、僕は吉村市長の後引き継いで同じ思いでやってますから、だからそういう思いの区長が選ばれれば、財政的には十分、市民の皆さんが今受けてるサービスは特別区でも実施できるということになると思います。
肥後委員 そこはやはり修正はなかなかできないということですか。
松井市長 いや、これは委員の皆さんと相談なんで。ただその、特別区長が選ばれる前にこの法定協議書でね、これは必ずやるべき施策なんだよということを書き切ったところで、新しい選挙で選ばれてる方が公約掲げて当選するわけですから、それ、なかなか担保できませんよ。今のサービスが守られる財源は特別区で確保できるということでご理解いただければいいと思います。
横山英幸委員(維新、府議) 協定書の中に今「現行の住民サービスは維持するよう努める」という文言は確かにあるところなんですが、これはあの、特別区移行時ですね、大阪市から特別区に移行した折、どうなっていくかというその辺の議論はまだ十分できていないところかと思います。ですので、特別区移行時に今やってる大阪市のサービスが当然スムースに、削減されないように進めて移行していくというのを、しっかりと今後の協議会の中でしゃべっていってですね、文言についても併せてどのようにあるべきかというのは、今後、十分議論すればいいのかなと思っております。
 公明党さんのご意見に対してですが、非常に賛成のお立場から建設的なご提案いただいたというふうに思っております。コストの削減に関して、庁舎整備コストでですねPFI等というご例示もいただきました。我が会派の藤田委員の方からは既存庁舎の有効活用ということで、幾つかの案があると思います。ですので、いきなり事務局からの案や試算を提示するというわけではなくて、会長の方におかれまして委員間協議で、たくさん建設的な意見いただきましたので委員間協議を経て順次決めていっていただきますようお願いします。
 もう一つ、ちょっと申し上げにくいんですけれど、自民党さんの意見でございます。川嶋委員の方から大変専門的なたくさんご意見いただいている次第です。中を見ていくと従前の法定協議会で議論されてきましたいわゆる二重負担の議論であったり、現実的に不可能という議論をしてまいりまして理事者の方からも十分ご答弁いただいてます。例の「積み上げ方式」の件などはですね。特に二重負担や財政調整の話に関しては、もうこれは特別区制度そのものの批判に当たりまして、これがあの大変恐縮ながら修正、いわゆる建設的な協議というふうにはお見受けすることができません。非常に重要なんですが、僕ら結論目指して進んでるわけです。協議会の目的は協定書の作成です。あくまで賛成の立場から建設的な協議を進めていくための資料要求や修正提案を事務局がやるのはいいんですが、制度そのものへの反対のような立場から修正提案は事務局や会長も応じる必要がないと思いますので、会長はこういった提案にはのられない、対応いただかないようお願いします。
西﨑照明(公明、市議) いわゆる住民サービスの内容や水準を維持するという文言のところですが、当然のことながら特別区に移行された後は首長が、またはそこの議会が判断することでありますので、それは当然のことだと理解したうえでの話でありまして、そこまでいつになるかというとまだ分かってませんけども、これを議論をしていただきたいうという提案でございます。
吉村洋文知事(維新) 新たに特別区になって特別区長の判断は拘束しないって理解でいいんですよね。「現在の住民サービスを維持する」と仮にした場合、例えば新たな区長が子供医療費の部分がちょっと財政負担を求めるけど塾代助成を増やすとか、新たな区長がマニフェストを掲げて様々なことをすると思うんです。なので、新たな特別区長の判断を拘束しないという前提に立つのであれば、先ほどの「努める」というのを「維持する」という表現にしても僕はいいんじゃないかなと。要は選挙で区長が選ばれるわけですから、これは当然、住民サービスの、区の状況に合わせて入れ替えるとかそらあると思うんです。これ大阪市だってあると思うんです。今までやってきたのと同じです。それがまさに民主主義であり選挙でありますから。「努める」というのを「維持する」に変える、ただ新たな特別区長を拘束するもんではないよというそういった趣旨なのであれば、これは表現ていうのは変えられるんじゃないかと僕は思いますけどね。
西﨑委員 今知事おっしゃった通りです。当然ながら新たな特別区ができればそこの議会で決めていくわけですから、そこは当然のことと思っております。
川嶋委員 さきほどの横山委員のご発言に対してですけれども、我々としては提出させていただきましたこの論点について取り上げる方向でご検討いただきたいと思っております。やはり市民の皆さんにとって、制度そのものの課題というものがやはりあると思っておりますので、この点も法定協議会の場できちっと議論を重ねていき住民の皆様に正しい情報を伝えるべきだと思っておりますので、いろんな意見があると思いますけれども、今後の論点の中には入れていただきたいと思っておりますので、とのような取り計らいをお願い致します。また、協議会規約の3条の1項の(2)に基づいても我々はこの議論をしていくことは、重要であると思っています。
河崎大樹委員(維新、府議) 川嶋委員にお尋ねしたいんですが、意見表明の中で是々非々の立場で議論していくとおっしゃっていましたけれど、非の部分は今のお話を聞いていて良く分かるんですが、是の部分ってどこなんですか。
川嶋委員 是々非々という立場で臨ませていただいております。この制度というものについて正しい認識に立つうえで議論をしていかなければなりませんので、私たちは制度の課題については今述べさせていただいております。そしてこの制度を今この時点で否定するものではありませんが、これが100%正しいというふうな前提に立つのもどうかなと思ってますので、しっかり論点に挙げていただいて今後の協議会での委員間討論に付していただければと思います。
松井市長 制度の話でいくんなら、川嶋委員の資料に「国の地方交付税は増額されないために財源不足が生じる」とありますけど、これ意味は、どういうことなんでしょうか。
川嶋委員 その点も含めて地方交付税制度については我々も(大阪市会の)大都市・税財政制度特別委員会で指摘をさせていただいておりますけれども、この点もしっかりと今後の委員間協議の中で討論させていただければと思っております。やはりデータなりを精査しながら具体的な議論をするべきだと思っておりますので是非、議論に挙げていただければと思います。
松井市長 僕が言いたいのは、地財制度というのは毎年予算編成の時期に、国の大枠の交付税財源をいくらにするかというのが決まってくるわけで、これは制度とは関係がない話なんじゃないかなと。要はこちらの役所の制度が変わるから交付税が増えないとか、増えるとかそういうことじゃなくて、交付税っていうのは国の財源が確保できれば増えるわけで、今は国全体が非常に厳しい財政状況の中にあるから、一定期間、地方交付税、地財制度については要はキャップをはめられているという状況なんで、地方の制度が、仕組みが変わることと交付税とは実際にリンクしてないということを言いたいんですよ。
川嶋委員 敢えて細かい議論はと思うんですけれども、私たちが言っているのは、地方財政計画、国の方で策定されますけれどもこれの総額が変わらないということは当然理解をしております。問題は今回、法律(大都市法)ができる時、また大都市法ができた時の第30次地方制度調査会の第21回専門小委員会で言われています、私よく「茨の道」と言いますけども、やはり大阪市、地方交付税制度の中で基準財政需要額を算定するにあたっては府市合算方式が取られております。これ府市合算方式を取らないと、松井市長がおっしゃったように、地方財政計画の総額において他の自治体に対して影響を与える、そういう理由からです。ですので、結果的に自治体を分割することによる規模のデメリットと言うものに対して、本来、基準財政需要額の補正係数の中で算定されるべきものが、府市合算方式のためにそれが算定されずに、それぞれ一つひとつの特別区において基準財政需要額が大阪市全体の時より上がるのにもかかわらず(地方交付税の額が)上がらないことによって行政コストが上がりますということで、この点もしっかりね、今、市長のお話を聞いてこの点の認識も違いがあると思いますので、しっかりと今後の委員間討論の中でも論点に挙げていただいて議論させていただければと思っておりますので、会長におきましてはお取り計らいをよろしくお願い致します。
守島正委員(維新、市議) 総額が変わらない中で、分割したら基準財政需要額が合算したら上がるのにそれがもらえないということで、交付税の総額が変わらないって話はもう分かってる話ですが、根本的に考え方に違いがあって、僕たちは経済効果でも出したように区長マネジメントとかでコストを削減していくっていう前提なんで、地方交付税の総額が変わらなくても僕たちは自主財源がむしろコスト圧縮によってできていくという考え方なんで、川嶋さんの言うようにコストがどんどんどんどん増えますよという前提には立っていないんです。その点は考え方の違いがあるのかなと思っているんですけど、1点だけ気になるのは、システムを分割してやった方がいいとか、例えば臨財債を府にしてほしいってことは、コストを増やしてやろうとか、スケジュールをずらしてやろうって悪意がなければいいなと思ってるんですけど、そういった意識はありませんか。
川嶋委員 悪意も何もこのメンバーの過半数を握っておられる方々がおられる中で、私は今回、ある意味、是々非々の議論をしっかりとさせていただいて、おそらく維新さんと公明党さんが賛成と言われている以上、住民投票に行くという想定の中でしっかりと私たちの意見を伝えておかなければ、住民の皆さんが誤った判断をしてはいけないと思っているからでございます。それと、財政調整、何か言うたね? もう1回いいですか。
守島委員 僕らはコストを圧縮する……、コストが増えるという前提には立ってない……。
川嶋委員 せやせや、分かった、分かった、OK、OK。我々はコストが上がるというのではなくて、制度が変わることによって、制度的にどういう問題が起きるかをまず把握をするべきだ、その上でそれを乗り越えれるような方法があるなら、次のステップで考えればいいと思ってます。制度によってどう変わるかということがまず議論のベースになければ、それこそ、精神論的なものとごっちゃなって、改革論とごっちゃになって、制度論なのか何論なのか分からない中で議論することは非常に不毛な議論になると思っておりますので、その点も論点を整理する中で、いろんな定義、前提条件ついても整理した中で、正しい議論を展開することができればなと思ってます。
吉村知事 あの、維新から話があった、いわゆる特別区の組織体制は一定この素案出てるけれども、新しい大阪都庁の組織体制がないじゃないかという指摘だったと思います。確かにその通りだと思いますので、新たに広域の大阪都庁はどうなるんだという組織図の素案というものについては検討したいと思います。もちろん東京都庁が既にありますけども、そのままということには当然ならないです。大阪府と大阪市の特徴を生かしながら、当然それぞれがやってきたこと、事務事業もあるわけですから、それを考えた上で大阪に合った大阪都庁の組織がどういうものなのかということについては検討したいと思います。
紀田馨(維新、府議) 川嶋委員に確認したいことがあります。資料の中で特別区のみが負担させられる課題があると、具体的には市民税で大阪府全域に効果が及ぶような広域大規模事業を負担させられると書いてはるんですよね。これって今の大阪市と一緒じゃないですか? 現在の大阪市の市民税で大阪全体に影響があるようなことも負担してるんですけども。今の大阪市の体制に問題があって、つまるところ大阪都構想は必要だって考えてはるんかなと聞こえてくるんです。その認識でよろしいですか。
川嶋委員 特別区になるということは、コストが制度的には上がるということを私たちは試算もさせていただいておりますけれども、そこも含めて考えた時に、また今後の社会保障経費の増大の分を考えてしっかりと特別区重視だったり基礎自治サービスの充実というところを考えた時には、きちっとした財政的な根拠がなければ特別区の設置は非常に厳しくなる可能性があると思ってますので、その点も議論させていただきたいと思っております。これについては、特別区になる中で、政令市というのは我々は政令市の規模のメリットがあります、そして大都市、母都市としての責任というところ含めて大都市特例事務、これは法律に基づいたものについては政令指定市は負担しないといけませんし取り組まなければなりませんが、特別区という基礎自治体になったということでいきますと、府下の大阪市域外の市町村において当然負担をしていないものは、特別区で負担をするというのはどうしても私には理解ができない。逆に大阪市域外は府税でしてるものを大阪市はこれまで市税でやってたんやからそれも含めて(府に)持ってきたらええがなという話にはならないと思うし、もう一つ現実問題、財源については譲与税であったりとか、宝くじ財源については府に移管される、そういう財源もありますので、本来それで賄えると思っておりますので、その辺の財源の議論も含めて今後の論点に挙げていただきまして、委員間討論させていただければと思っております。
紀田委員 では具体的にどの事務が大阪全体に広域的に影響を与えて、にもかかわらず市民税、特別区民税ですかね、で負担させられるかについては今後、議論させていただきたいと思います。
吉村知事 (川嶋委員配布の資料に)特別区民が税を二重に強いられていると出てくるんですけどね、紀田委員が言った通り今もそうだと思うんです。分かりやすく言えば、例えば大阪市立大学、100億、大阪市からぶっ込んでますけどもそこに通っている生徒は大阪市民だけかと言えばそうではないわけです。半分ぐらい大阪市外からの生徒も通ってる。大阪市税で大阪市民以外の負担を実際やってるんです。大阪城公園とか大規模公園、天王寺公園もそうですけど、あそこ大阪市民だけが来ているのかと言えばそうじゃない。海外の方も含めたたくさんの方がいらっしゃる。じゃあ、現状の大阪市民もそれは負担してるわけだから、制度が変わることによって特別区民が二重に負担するということにはならないと思うんです。そういうことをやろうってやってきたのは大阪市長、大阪市議会で大阪市外のことも広い広域的なこともやっていこうって決めたんだから、それをやってきたことを是とすれば、新しい大阪都庁で引き継ぐんであればその財源も引き継がないと成り立たない話になると思いますよ。新たにやることをどうするかは別の話ですけど、今やってることは財源として来ないと明らかにおかしい話になる。
松井市長 川嶋委員が言ってんのは、東京、都制度というのは日本の中で今、東京だけなんです、東京都でもずっと言われている議論なんです。特別区側はもっと財源を都庁から取りたいでしょうし、要は東京の特別区の住民の皆さんは、東京都という特別区以外のエリアの人たちのサービス拡充の部分も財源を負担してるじゃないかというのは、東京都という制度がある日本で唯一そこだけなんですけど、そこでもそういう議論はあります。ただ制度変更に100点満点はないんで、我々が新たに挑戦している特別区制度と、今まで僕と橋下市長になる以前の(大阪府と大阪市が)それぞれが権限を持ちながらバラバラに動いていた時代と、やっぱり一体になった方がどちらが比較優位でよりましかということで、我々、特別区制度を提案しているわけですから、それは東京都でも議論になってる部分ですけども、そこは今までも大阪市が府域全体の広域サービスとして担っている部分の財源、これは都区財政制度の中で広域自治体の方に移していくべきだと、ただし、都区財政制度の中でその財源を市域以外に使わないように特別会計で管理するわけですから、市域以外に特別区財源が流れ出すということについては一定ルールの中で抑えることができているのかなと思います。
川嶋委員 こういう議論を、考え方も違うので、是非、委員間討論で今後させていただきたいと思っています。財政論につきましてもきちっとご理解いただきたいのは、譲与税が宝くじ財源がという話もしましたし、例えば大阪市立大におきましても交付税措置をされててその交付税措置の中で、大阪市はそれこそ市長マネジメントで大学については地方交付税の基準財政需要額よりちょっと高い金額を出してます、ですのでその辺の国の制度の中での財源の確保もありますので、その後のプラスのマネジメントの部分で市税を使うことについて、わざわざ配分していることがいいのかどうかということを議論をさせていただきたいと申し上げております。また東京都の特別区とのお話でいきますと、東京都は地方交付税の不交付団体でございますので、その点の財政的な問題というのは大阪府、市において特別区を設置するのとは大きく違います。ですので、その点もありますので、しっかり財政問題につきましては、この場で委員間討論をしていき、市民の皆様にもしっかりと問題点も含めて、いい面もあるかもしれませんし悪い面あるかもしれません、その点も含めて認識をいただくべきだと思っておりますので、是非これも論点に挙げていただくようお願いします。
北野妙子委員(自民、市議) 協定書には記載のない、義務のない問題についても我々は大きな問題があると思っております。例えば、先ほど吉村知事は「大阪都庁」というふうなことをおっしゃっておられましたけれども、この都と言う名称を使えるかどうかの議論は、今までそもそも論であるとか入口議論だと言って我々、一蹴されてまいりました。建設的な意見というのではないかもしれませんけれども、非常に市民にとってこれから大きく判断の材料となろうかと思いますし、市民生活に大きく影響するであろう課題については、協定書に記載義務のない、協定書に書かなくてもいいことであっても、やはり議論の遡上に載せていくというふうな、論点整理においてもこういったことが排除されるのかどうかお聞きしたいと思います。というのが、先ほど区の名称の話が出ました。当然のことながら区名が変わるのは、特別区を設置するわけですから当然変わるでしょうけれども、大阪都になるかどうかについては、いわゆる今回の議論が政府に対して本気度があるかどうかも含めまして、法律改正をしなければならないということもございますので、このことについては議論の余地があるんではないかという故によるものです。よってですね、今後、一蹴されてきた入口議論あるいはそもそも論といったものについても一定許可をいただくというふうな論点整理も必要ではないかと思うんですけれども、会長におかれましてはどのような差配をされるおつもりかお聞かせ願います。
今井会長 先に、他意見ございませんか?
藤田委員 川嶋委員のこの意見表明ですね、あと今の北野委員の発言もそうなんですが、このようなコストが生まれるかもしれないとか、精査すべきとか、このような試算は避けるべきとかいう文言が多くて、では具体的に何をどのように試算していくらになるのかというところがあって、その計算式において合理性、妥当性があるのか、蓋然性があるのかということを議論していかなければ、野放図に議論が膨らんでいってしまって終わりが見えないってことになってしまいますので、その点の取り扱いだけは会長の方で注意していただいて、提案者におかれましては具体的にどこがどうおかしくてどう修正して、こういう計算式でこのコストになるべきだということで、お互いのコスト試算の論拠を戦わせるという提案をお願いしたいと思っています。
松井市長 今、北野委員から話ありましたけど、これ法定協議会なんで、今の法律に則った中で議論しないと。名称については「都とみなす」というところまでは書いてくれてるんです、法律には。これを都と名乗れるかどうかの議論を、法律にないことをここで議論してもまたそこで堂々巡りの議論になるだけですんで。「都とみなす」と書いてあるわけですから、名称について法定協議会で具体的にどういう名称にするのかというのは、今、法律に定められていない部分まで法定協議会でやると、時間も非常にかかりすぎるというか、時間もったいないと思います。
川嶋委員 藤田委員のおっしゃる通りで、私たちの試算についてはちゃんと示したいと思っていますけれども、やはり私レベルではこの試算は正直難しいなと思ってます。維新の会の皆さんの場合、例えば知事、市長がこの場で提案してやるって言ったら、職員が総動員でやってくれはりますけど、我々はそういうこともできないので、是非とも委員間討論の中でもやっていただいて、ちゃんと前もって早めにこういう数字ということで理事者とも調整させてもらいますんで是非、論点に挙げていただきたいと思ってます。本当にこれ計算大変で、我々ではできないんで、すいません。そういうことも提案できる能力があればええんですがありませんので、そういう点がご理解いただいて是非前向きな議論を参加させていただきたいと思っています。
吉村知事 まず議論の整理として松井委員も言ってましたけど、国の法律でもう決まっていること、あるいは府市合算で地方交付税制度なんかってのも国がある程度決めていくことと、我々の協議でこの中で意思決定していくこと、これやっぱりある程度整理する必要があるんじゃないかと思います。ぐちゃぐちゃなると、我々がすべて決めるって話じゃありませんので。我々がこの協議の中で決めれる範囲はどこなんだってきちっとやって●●(?)していくのが重要なんじゃないかと思います。もう一つが自民の提案もそうだし、公明の提案もそうなんですが、新庁舎の建設についてできるだけコストを下げるべきじゃないかっていうのが意見だと思います。既に素案が出てますけれども、さらにコストを下げる、つまり今の現有庁舎をより有効に活用できないかっていうことは検討したいなと思います。既に中之島に大きな庁舎がある。それぞれの四つの特別区が移行する時に、すべてその特別区に部署、職員が必要なのか。ここは皆がコストは下げていこうという共通認識があるんだから、考えてもいいんじゃないのかなあと思います。現に大阪市だって中之島に主力部隊がありますけど、南港の方に建設局があったり港湾局があったりするわけです。大阪府だって府民文化部は港の方にありますし、大阪市域そんな広いエリアじゃないですから、その中で何が区長のそばに必要なのか区議会のそばに必要なのか、もちろん区長と区議会議員、そして僕が知事市長の経験から思えば危機管理室と政策企画室、政策企画部いわゆる官房部隊、ここはやっぱりと必要かと思いますけれども、秘書課を含めた政策企画室と危機管理室以外の組織は特別区に移行する時に必ずしもその特別区の中になくても十分役所としての機能は果たせるんじゃないかと、僕はそう思ってますから、そこは一定、区役所の建設コストを下げる、もちろんそれはきちんとシステムとかは分けますよ、フロア分けするとかいろいろ技術的なやり方はあると思いますけど、僕はそういうことも考えてもいいんじゃないのかなと思います。これがそもそも法律に反してできないんであればやらないですが、この辺り事務局はどうですか、物理的に可能なんですか。
副首都推進局 手向健二局長 ちょっとご指摘の部分も含めて検討させていただきます。コスト試算の部分につきましても、公明会派や維新会派から、で今、知事からもいただいておりますので、今日いただいたご議論の内容を踏まえて少しできるものは出していきたいと思います。
川嶋委員 しつこくて申し訳ないんですが、基本的には財政調整も含めていろいろ提案さしてもらっている点は(論点に)挙げていただきたいと思います。府市合算方式の点、知事がおっしゃる通りで国の制度だってことでございます。その中でもやはり特別区重視、基礎自治サービスの拡充ということを考えた時には、特別区への配分をする時、東京都でも特別区に配分する際の財政調整の中で基準財政需要額の算定をされておりますけれども、具体的にこれがどうなるのかっていうところも見ないと、私たちとしては判断できませんし、場合によってはその点は知事マネジメントの中で、府の中でコントロールする中で実現も可能と思いますので、そういう議論が正しい数字に基づいて制度論に基づいて議論できればなと思っていますので、会長、是非よろしくお願いします。
河崎委員 僕もしつこくて申し訳ないですけど、さっきの市民の税の二重負担の問題、今の大阪市民も大阪市や大阪市民以外に使われている税金が現実あるんですけども、それが許されるのは今の大阪市が政令指定都市で、川嶋さんの表現だと母都市ですか、だから許されるというロジックですか。
川嶋委員 政令指定都市というものと特別区というものは違うと思うんで、この辺も認識が違うんで是非議論さしていただきたい。今日は論点整理の場ですのでこのまま議論すると会長にもご迷惑をおかけしますので。
吉村知事 公明さんから提案あった地域自治区の名称の部分なんですけども、区役所の名称をそのまま使用、これは窓口もしてるし名称ということではいいんではないかということですけど、僕は名称が使用できるんであれば一つの考え方だと思うんですが、事務局どうなんですか。これはできるんですかね、ルールとして。
副首都推進局 手向局長 そこは制約はないと思っております。
吉村知事 例えば中央区でいくと、西成区役所が中央特別区役所、今、素案で。中央区役所は中央区役所なので、中央区役所の名前が二つ出ちゃうから、これは区の名称にもからんでくるんじゃないかと思うんですが。
副首都推進局 手向局長 そこは西成区役所という名前を使うんであれば、全体を含む特別区の中央区の名前をどう呼ぶかというのは当然、規定しなければならないと思います。そこはやはり同じ名前にしちゃうとややこしいと問題はありますので。
吉村知事 いや、だから、区の名称ともやはり関係しますよねっていう……。
松井市長 僕の理解では、特別中央区中央区役所というのができるということになると思うんですよね。
吉村知事 いや、でも、中央特別区役所と今の中央区の中央区役所があったら名前が重なってるからすごい分かりにくくなるんじゃないですか。
松井市長 だから特別区役所と……。
今井会長 ちょっと、ちょっと整理して。
松井市長 だから名称やからね、名称を区役所って使うんなら一つは特別区役所で、もう一つは今の区役所と……。
今井会長 ちょっと、整理して。
藤田委員 これうちの団内で共通の認識になってるわけではないので一案として申し上げるんですけど、例えばの今の話であれば、各区の区役所を中央区役所、西成区役所と使うんであれば、中央特別区の特別区役所については中央本庁舎という名称にするとか、そういう案も一部出てますので。中央本庁舎とそれぞれの区の区役所みたいなイメージになるのかなというふうに思っております。
今井会長 そういう意見もあると。
横山委員 今の点も含めて今後も議論していくことになると思うんです。論点に挙げてほしいというお言葉さっきからある通りですね、今後の会長の指揮にもよるんですが、普通に考えると協定書作成に向けて各項目ごとにコンセンサスをとっていくと。その折にですね、今ご提示いただいたような議論を全く封殺せよと言っている話ではなくて、委員の意見としておっしゃられるのは僕ら止めれないので、ただですね、この膨大な資料をですね、シミュレーションせよとか積み上げ方式で出してこいというのをそのまま勘案して事務局が動くことはできないですよというのは事務局にも会長にも強く申し入れておきます。併せて、これ全部飲まな話にならんとかいう話であれば、それ僕は感覚的に建設的な話とは到底思えないので、反論に関しては勘案しますが、すべてを飲んでですね、局側もその資料を全部出せと、そうじゃないと賛成には回れないと、そんな議論は決して僕は建設的とは思いません。だから項目の中で議論していただくのは結構かなと思います。
川嶋委員 ですんで、それを否定するものでもなくて、最終的には会長が論点整理されると思っております。で、あと、私たちが全部どうのこうのではなくて、少なくともね、第30次地方制度調査会の第21回専門小委員会での中でも、第30次地方制度調査会の最終取りまとめの中でもこの大都市制度による特別区設置うんぬんのこの大阪版の都区制度に関しては留意事項ちゅうのはとってもたくさん書かれていたんですね。やっぱり私たちはそこに対して真摯に向き合わないといけないと思います。やはり専門家が留意すべきだと指摘されていますので、その点だけは最後に申し上げさせていただきます。
今井会長 ご意見がございませんのでこれで終わりたいと思います。ただ今後の進め方に関してです。先ほど川嶋委員からもありましたけど、協議会の作成過程での第3条第2項、これは「必要な協議を行うこと」となっておりますので、ただ何が必要で何が不必要なのかというのはありますけどもこの辺は目的に沿ってというふうなことを考えておりますのでよろしくお願いしたいと思います。次回の協議会では本日の議論をもとにして今後のスケジュールをお示しすると、それと協定書の作成に必要な点や協定書の作成に資すると思われる点を私の方から論点整理します。それをもって論点ペーパーとして提示したいと思っております。委員の皆様方にはこれをもとに協定書の作成に向けた委員間協議に進んでいただきたいと思います。協議には議論用の資料も必要になると思います。私から協定書を取りまとめる上で必要となる資料の作成を事務局に指示したいと思いますのでよろしくお願いします。